京都の近代建築-下京区
 2020.3.30

■旧八尾政(東華菜館)(NO.1)
 この建物は、1926(昭和元)年に竣工した鉄筋コンクリート造地上5階地下1階建の建物で、ヴォーリズ建築事務所が設計している。八尾政は元々四条大橋のたもとで八百屋を営んでおり、この建物はビアレストランとして建設された。戦後、中国料理店東華菜館となった。

 

●所在地:京都市下京区四条大橋西詰斎藤町
●備考:東華菜館、無休、11:30-21:30、http://www.tohkasaikan.com/



■辻商店(NO.2) 現存せず
 この建物は、1928(昭和3)年に竣工した、鉄筋コンクリート造3階建の建物である。辻商店は紙問屋で、建築後1956年の堀川通り拡幅の際に現在の地に移動した。

 (2009.1撮影)

●所在地:京都市下京区堀川通四条下ル四条堀川町



■宮川美髪館(NO.3)
 この建物は、1927(昭和2)年に竣工した、木造2階建の建物である。

(2009.1撮影)

●所在地:京都市下京区油小路通綾小路上ル石井筒町


■西湖堂印刷株式会社(NO.4)
 この建物は、昭和初期に建てられたもので、木造2階建の建物である。

(2009.1撮影)

●所在地:京都市下京区綾小路通高倉上ル高材木町


■お茶屋芙蓉(NO.5)
 この建物は、昭和初期に建設された建物で、木造2階建である。

(2009.2撮影)

●所在地:京都市下京区五条通西木屋町下ル聖真子町


■株式会社石田愛商店(NO.6)
 この建物は、大正から昭和初期に造られた建物である。

(2009.9撮影)

●所在地:京都市下京区松原通東洞院上ル燈籠町


■京都市立成徳中学校(NO.7)
 成徳中学校は、1931(昭和6)年に竣工した、鉄筋コンクリート造3階建の建物である。

 (2007.1撮影)

●所在地:京都市下京区室町通高辻西入繁昌町


■旧淳風小学校(NO.8)
 淳風小学校は、1930(昭和5)年、1931(昭和6)年に竣工した、鉄筋コンクリート造3階建ての建物である。2017年3月に閉校。



●所在地:京都市下京区大宮通花屋町上ル柳本町


■旧十六会館(旧下京図書館)(NO.9)
 この建物は、1932(昭和7)年頃に竣工した鉄骨鉄筋コンクリート造2階建の建物である。淳風小学校の隣に建つ。十六という名称は、この地域・淳風学区が下京第十六学区と呼ばれていたことによる。建物はこの地域のコミュニティー施設として建設されたらしい。下京図書館は2001年に移転し、建物は閉鎖のままである。

(2008.1撮影)

●所在地:京都市下京区大宮通花屋町上ル堀之上町


■旧龍谷大学本館(NO.10)
 この建物は、1879(明治12)年に講堂として造られたもので、木造石貼り2階建の建物である。隣接する北黌、南黌も同時期に建設された建物である。
 説明板には次のように記載されている。
龍谷大学本館
 本館(正面建物)は、本願寺大教校として使用された学舎で、明治10年(1877)1月、本願寺21世明如上人の時に起工し、2年後の明治12年(1879)1月に竣工、同年5月に落成式を行った。
 構造は、木骨石貼寄棟造、桟瓦葺、2階建てで、関西における洋風建築の先駆をなす斬新な建物として重要な意味を持ち、国の重要文化財に指定されている。内部1階には十字型廊下で仕切られた左右同形の室が6室、2階には東側に本尊阿弥陀如来像を安置する講堂、西側に階下と同形に2室がある。
 柱、アーチ、手摺など各部に洋風の意匠を採り入れているが、中でも鉄製門扉、窓、手摺等は、ロンドンから取り寄せたものである。
 この本館の左右には、同年建設の学寮(木造切妻造、桟瓦葺、2階建て)が対称形に並び、また建物の周囲には、石造の表門を中心に石垣が巡らされているなど、明治期の大学の優美な姿を今に伝えるものである。
京都市 

本館 正門

南黌 北黌

旧守衛所

●所在地:京都市下京区大宮通七条上ル門前町


■旧山内任天堂本店ビル(任天堂正面営業所)(NO.11)
 1889(明治22)年、花札メーカーとして創業した任天堂は、1933年に合名会社山内任天堂を設立し、その時にこれらの建物が造られた。1930(昭和5)年に倉庫が、1933(昭和8)年に本店と本宅が建設された。設計は増岡建築事務所。

 

 

●所在地:京都市下京区正面通加茂川西入鍵屋町

■旧日光社七条営業所(なか卯七条新町店)(NO.12)
 旧日光社は、京都の自動車販売会社で、のちにここから分社した富士ラビットスクーター社の営業所となった。現在は、なか卯七条新町店となっている。
 建物は、1923(大正12)年頃の竣工で、鉄筋コンクリート造、3階建である。国登録有形文化財に指定されている。

 (2007.1撮影)

●所在地:京都市下京区七条通新町西入夷之町


■旧鴻池銀行七条支店(レストラングランヴェルジュ)(NO.13)
 この建物は旧鴻池銀行七条支店として1927(昭和2)年に竣工したもので、鉄筋コンクリート造2階建の建物である。設計は宗建築事務所。鴻池銀行は江戸時代の両替商鴻池家の系譜を継ぐ銀行で、1897(明治30)年に設立された。その後、三十四銀行・山口銀行と合併し、三和銀行となる。建物は1969年に若林仏具が購入し、現在はレストランとして使われている。

 (2007.1撮影)

●所在地:京都市下京区七条通新町西入夷之町


■旧村井銀行七条支店(きょうと和み館)(NO.14)
 この建物は旧村井銀行七条支店として1913(大正2)年に竣工した煉瓦造2階建の建物である。設計は村井銀行の建築部長であった吉武長一。村井銀行は「たばこ王」として知られた村井吉兵衛が設立した銀行である。建物は1954年に東邦生命の所有となり、その後飲食店等に活用されている。

建物正面 建物西側(2007.1撮影)

●所在地:京都市下京区七条通東中筋東入文覚町


■旧丸物百貨店(京都近鉄百貨店)(NO.15) 現存せず
 丸物百貨店は、京都の呉服商「枡屋」の中林仁一郎が1920(大正9)年に開店した京都物産館にはじまる。1931年に丸物百貨店と改称。建物は、第1期工事が1936(昭和11)年に、第2期工事が1938(昭和13)年に竣工した。鉄骨鉄筋コンクリート造地上8階地下1階建。1977年に近鉄と合併した。現在、この地にはヨドバシカメラがあるが、建物は新築である。

 柱の模様(2007.2撮影)

●所在地:京都市下京区烏丸通七条下ル東塩小路町


■旧柳原銀行(柳原銀行記念資料館)(NO.16)
  この建物は、1907(明治40)年に竣工した木造2階建の建物である。柳原銀行は,1899(明治32)年に柳原町(現崇仁地区)町長であった明石民蔵ら地元有志により設立された。その後山城銀行と改称、1927(昭和2)年に倒産した。1986年に道路の拡幅工事に伴い建物が取壊されようとしたが、1997年建物は移築・復元され、柳原銀行記念資料館となった。

(2007.6撮影)

●所在地:京都市下京区河原町通塩小路下ル下之町
●備考:柳原記念資料館 休館は月火祝休 10:00-16:30 https://www.city.kyoto.lg.jp/bunshi/page/0000061457.html


■旧京都電燈本社社屋(関西電力京都支店)(NO.17)
 京都電燈は1888(明治21)年に創立、京都の電力事業を行ってきたが、1942(昭和17)年に関西配電(株)に統合され、1951(昭和26)年に関西電力となる。この建物は京都電燈の2代目の社屋として1938(昭和13)年に建設されたもので、設計は武田五一、鉄骨・鉄筋コンクリート造8階建の建物である。

(2013.3撮影)

●所在地:京都市下京区塩小路通新町東入東塩小路町


■旧真宗信徒生命保険株式会社本館(本願寺伝道院)(NO.18)
 この建物は、1912(明治45)年に真宗信徒生命保険会社の社屋として建てられた。設計は、伊東忠太、施工は竹中組(現竹中工務店)である。その後、神田銀行、京都電燈株式会社、京福電気鉄道株式会社の使用を経て、1973(昭和48)年から「本願寺伝道院」が使用している。親鸞聖人750回大遠忌法要を機に修復工事が行われ、2011(平成23)年に工事が完了した。説明板には以下のような記述がある。
重要文化財
本願寺伝道院 ※指定名称 旧真宗信徒生命保険株式会社本館(本願寺伝道院)
 この建物は、明治28年(1895)4月に設立された真宗信徒生命保険株式会社の社屋として、明治45年に東京帝国大学教授伊東忠太の設計、竹中工務店の施工により建築されたものです。当初は「本館」のほか「付属屋」、「倉庫」2棟、「物置、人力車置場、便所」、「屋根付伝ひ廊下」が建っていましたが、現在は「本館」のみが残っています。
 伊東忠太の提唱した「建築進化論」(石材や鉄に依存しつつも欧化でも和洋折衷でもなく、日本建築の木造伝統を進化させること)を明確に表現した建物で、外観は古典様式に基づくものの、開口部まわりや軒まわり、塔屋の形態などにサラセン様式、日本の伝統的な様式が用いられています。
 現在は本願寺伝道院として浄土真宗本願寺派僧侶の布教・研修の道場として使用しています。
本願寺  

  

車止めの石像群(2020.1撮影)

●所在地:京都市下京区東中筋通正面下ル紅葉町


■救世軍京都小隊会館(NO.19)
 救世軍京都小隊は1906(明治40)年に結成され、現在地に会館を建設したが、1936(昭和11)年にW.M.ヴォーリズに設計を依頼し現会館を建設した。木造3階建。2007年5月、開設100周年を機に会館を改修した。

(2020.1撮影)

●所在地:京都市下京区四条通富小路下ル徳正寺町


■フランソア喫茶室(NO.20)
 フランソア喫茶室は現在の南棟を1934(昭和9)年に改修し開業したことにはじまる。その後、1941(昭和16)年に北棟を改修、戦後一時期、南棟にミレー書房が開業していたが、のち喫茶室となった。調度品なども当初の物がそのまま使用され、戦前の喫茶店の様子がうかがえる。

(2020.1撮影)

●所在地:京都市下京区四条通西木屋町下ル船頭町


■池善化粧品店・尾州屋老舗・新雪手芸店(NO.21)
 高島屋デパートの建物に取り囲まれるように存在するこの建物には3軒の店が入っている。竣工は1931(昭和6)年、3階建の建物である。

(2020.1撮影)

●所在地:京都市下京区四条河原町南西角


■旧商工ビルディング(寿ビルディング)(NO.22)
 市電河原町線の開通を機に、商工無尽(株)(創立1921(大正10)年)が建設した本社ビルである。山虎組の設計施工、鉄筋コンクリート造5階建の建物である。京都における高層ビルの走りといわれる。

 (2020.1撮影)

●所在地:京都市下京区河原町通仏光寺上ル市之町
(木屋町通松原上ルとする書籍があるが間違いである)


■旧京都市立立誠小学校(NO.23)
 立誠小学校は、1869年に開校したいわゆる番組小学校のひとつで、鉄筋コンクリートの校舎が1928(昭和3)年に竣工した。1993年に閉校した。閉校後、映画館等さまざまな活用がされたが、2020年7月にホテルを含む複合施設が開設される予定である。

(2006.1撮影)

●所在地:京都市下京区木屋町通蛸薬師東入ル備前島町


■本願寺派顕道会館(NO.24)
 顕道会館は、1923(大正12)年、顕道学校の同窓会集会所として建設された。1937(昭和12)年に西本願寺へ寄贈され、1962年から京都教区教務所とされた。

(2020.3撮影)

●所在地:京都市下京区油小路通花屋町上ル西若松町


■村瀬本店(NO.25)
 建物は1920年代(大正末~昭和初期)の竣工。

(2020.3撮影)

●所在地:京都市下京区七条通油小路西入ル米屋町


■旧不動貯蓄銀行七条支店(京都中央信用金庫本部別館)(NO.26)
 旧不動貯蓄銀行七条支店は、1930(昭和5)年竣工の鉄筋コンクリート2階建の建物で、日本貯蓄銀行、協和銀行七条支店を経て京都中央信用金庫本部別館となり、現在は京都中央信用金庫の関連会社が入っている。

(2020.3撮影)

●所在地:京都市下京区七条通烏丸西入ル中居町


■旧京都野村生命ビル(烏丸七条ビル)(NO.27)
 野村生命保険の京都支店として1937(昭和12)年に建てられた。戦後は東京生命京都支店やセコム損保が使用し、現在は烏丸七条ビルとして、飲食店、美術館などが入る。

(2020.3撮影)

●所在地:京都市下京区七条通烏丸西入ル東境町


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