戦前のチリの報時局 2023.6.7 |
(a)Valparaiso CCE |
図1 バルパライソの地図 CCE局のあるValparaisoはサンチアゴから西に約100kmの海部の町である。この町にはEscuela Naval Arturo PratやMuseo Marítimo Nacionalという海軍関係の施設がある。前者は海軍兵学校で、後者は元海軍兵学校の建物を海事博物館として活用したものである。ペルーのように兵学校が無線信号を発していた可能性はあるが、関連を裏付ける記載はみつけられなかった。チリの海軍水路研究所のウェブページに、CCE局は1918年に開局し、海軍の無線局が日曜日を除く毎日300kHzで1:00に報時信号を送出したとある。CCE局の記載は『東洋燈臺表』1929年版まであった。送信信号のフォーマットを以下に示す。 『理科年表』第9冊(1933)では、Plaja AnchaにCCEという局があったと記されている。Plaja AnchaはValparaiso市内の中心部にあたる。経緯度がCCE局と若干異なるので、同一局かどうかは判断できない。CCE局は139.53kHzで1:00に信号を送出した。CCE局の記載は「第13冊(1937)」まで続いた。 表1 CCE局の送信フォーマット |
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