戦前のマレーシアの報時局     2023.5.24
 (a)Kuching VQF  

図1 カリマンタン島(旧ボルネオ島)の地図

 この地は19世紀よりイギリスの占領が始まり、1874年の英領マラヤののち、1888年に英領北ボルネオが成立する。Kuchingはボルネオ北部にあるSarawak州の州都である。VQF局は『理科年表』第3冊(1926)から記載がはじまり、以後「第13冊(1937)」まで記述が続く。VQF局は、周波数500kHzで0:39に時報を送出した。1929年頃に周波数が193.5kHzとなり、1933年頃には報時時刻が0:00へと変更されている。VQのコールサインは、英領植民地及び保護国への割当てであった。『理科年表』に記載されている経緯度で場所を調べると、Kuching市内中心部のSarawak Museumのあたりを示した。隣にはRadio Malaysia Sarawak局があるが、関連はわからない。『東洋燈臺表』1927年版に掲載されている送信フォーマットを表1に示す。

表1 VQF局の送信フォーマット
 
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