戦前のマリの報時局 2023.7.27 |
(a)Timbuktu |
図1 西アフリカの地図 『天文月報』第6巻第2号(1913年5月)の「萬国協同放射電信式報時事業の開始」という紹介記事に出てくる報時局に「チムブクツ」という地名が出てくる。「チムブクツ」はTimbuktu(仏名Tombouctou)のことで、現在のマリ共和国の一都市である。マリ共和国は、戦前は隣国のセネガルとともにフランスの植民地で、仏領スーダンと呼ばれた。Timbuktuはニジェール川の中流域に位置し、トゥアレグ(Tuareg)族の都市である。かつてはサハラ砂漠を越えて交易をする人々の拠点であったが、船による交易が進むとさびれた。 新たな伝送方式である「新国際報時」で送信する報時局になぜ内陸の場所にある無線局が選ばれたのかよくわからない。この局は6:00に報時信号を発したとある。『天文月報』以外には、この局について書かれたものを見つけることはできなかった。 |
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