戦前のモザンビックの報時局     2023.6.4
 (a)Lourenço Marquès CRZ(CQE)・CRZZ(CRAP)  

図1 Maputo市内地図

 モザンビックは17世紀半ばからポルトガルの植民地であった。独立したのは戦後1975年のことである。Lourenço Marquèsは現在のMaputoにあたるモザンビック南端の都市である。モザンビック海峡をはさんだ対岸にマダガスカル島がある。

 CRZ局の開局は1916年で、周波数500kHz、8:00と19:00に電波を出した。『理科年表』第5冊(1929)にはCRZ局と異なる経緯度でCRZZ局があらわれる。CRZZ局は125kHz、8:00と19:00に電波を出した。この2局だが、経緯度はほとんど同じで、その差は経度で20"、緯度で25"である。これは距離にすると約1kmで、マプト市内の近距離で電波を出していたことになる。「第7冊(1931)」では、コールサインがCRZ局がCQE局に、CRZZ局がCRAP局に変更された。

 時刻情報を提供する天文台はLourenço Marquèsの天文台とあるが、調べたが該当するものは見つからなかった。

 CRZ局とCRZZ局の送信フォーマットを以下に示す。

表1 CRZ局の送信フォーマット

表2 CRZZ局の送信フォーマット

 
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