標準時報局 RID・RWM(ロシア)

rid2.jpg (368190 バイト)QSLrid3.jpg (277014 バイト)

1.はじめに
 ロシアの標準時報局は、イルクーツクにあるRIDとモスクワにあるRWMだけだと思っていたが、ロシアのIMVP(Institute of Metrology for Timeand Space)[ロシア語では次のように書く:
НСТИТУТ МЕТРОЛОГИИ ВРЕМЕНИ И ПРОСТРАНСТВА]から送られた冊子を見ると長波の標準時報局がたくさんあるのがわかった。冊子がロシア語のため、このゴールデンウィークに時間をとって少しばかり格闘してみたが、十分な成果は得られていない。誤訳等がある場合はお許し願いたい。また、表題のRIDとRWMに関する詳しい資料も集めることができなかったため、今回はロシアの標準時報局を概括することとしたい。

 なお、イルクーツクDXクラブからの情報によれば、イルクーツクのRID局は予算カットのため、現在停波中とのことである。その他の局が現在どうなっているかは不明。

 2.ロシアの標準時報局一覧
  局 名  

送 信 地

周波数

[kHz]

出力

[kW]

同時送信数 送信時間(JST) 週当り送信日 1日当送信時間 周波数の精度
開 始 終 了
 

RBU

Moscow

55°44’N

38°12’E

 

66

 

 10

 

 

06h00m

 

06h00m

 

 

24

 

2×10-12

毎月第3火曜日の14h00m-22h00mは保守整備のため停波

(6月は第1日曜日の4h00m-22h00m)

 

RTZ

Irkutsk

52°26’N

103°41’E

 

50

 

10

 

 

07h00m

 

06h00m

 

 

23

 

5×10-12

毎月の第3、第4月曜日の0900-1700は保守整備のため停波
 

RWM

Moscow

55°44’N

38°12’E

4996

9996

14996

5

5

8

 

 

06h00m

 

06h00m

 

 

24

 

1×10-11

4996kHz(1、4、7、10月の第1水曜日の14h00m-22h00m)、9996kHz(2、5、8、11月の第2水曜日の14h00m-22h00m)、14996kHz(奇数月の第3水曜日の14h00m-22h00m)は保守整備のため停波
 

RID

Irkutsk

52°26’N

103°41’E

5004

10004

15004

1

1

1

 

 

06h00m

 

06h00m

 

 

24

 

1×10-11

毎月第2火曜日、第3月曜日の09h00m-17h00mは保守整備のため停波
 

ULA-4

Tashkent

41°19’N

69°15’E

2500

2500

5000

10000

5000

1

 

1

 

06h00m

14h00m

06h00m

14h00m

23h00m

13h00m

06h00m

13h00m

22h30m

06h00m

23  

5×10-11

毎月第3月曜日の10h00m-20h00mは保守整備のため停波

「夏時間」時には時間が1時間繰り下がる(+1hとなる)

 

RAB-99

Habarovsk

48°30’N

134°50’E

25.0

25.1

25.5

23.0

20.5

300 11h06m

17h06m

23h06m

11h47m

17h47m

23h47m

 

5×10-12

毎月10、20、30日は保守整備のため停波
 

RJH-63

Krasnodar

44°46’N

39°34’E

25.0

25.1

25.5

23.0

20.5

300 18h06m

02h06m

18h40m

02h40m

10  

5×10-12

毎月3、13、23日は保守整備のため停波
 

RJH-69

Molodechno

54°28’N

26°47’E

25.0

25.1

25.5

23.0

20.5

300 16h06m

22h06m

16h47m

22h47m

1.4  

5×10-12

毎月2、12、22日は保守整備のため停波
 

RJH-77

Arkhangel'sk

64°22’N

41°35’E

25.0

25.1

25.5

23.0

20.5

300 06h06m

23h06m

06h47m

23h47m

1.4  

5×10-12

毎月4、14、24日は保守整備のため停波
 

RJH-86

Bishkek

43°03’N

73°37’E

25.0

25.1

25.5

23.0

20.5

300 01h06m

13h06m

19h06m

01h47m

13h47m

19h47m

1.4  

5×10-12

毎月6、16、26日は保守整備のため停波

「夏時間」時には01h06m-01h47mは05h06m-05h47mとなる(他は変更なし)

 

RJH-90

Nizhnij

Novgorod

56°11’N

43°57’E

25.0

25.1

25.5

23.0

20.5

300 04h06m

14h06m

04h47m

14h47m

1.4  

5×10-12

毎月8、18、28日は保守整備のため停波
 

RNS-E (A)

Brynsk

53°08’N

34°55’E

100 800 13h00m

23h00m

19h00m

03h00m

10  

5×10-12

毎月10、11日は保守整備のため停波

「夏時間」時には時間が1時間繰り下がる(+1hとなる)

 

RNS-E (D)

Swizranb

53°18’N

48°07’E

100 800 13h00m

23h00m

19h00m

03h00m

10  

5×10-12

毎月10、11日は保守整備のため停波

「夏時間」時には時間が1時間繰り下がる(+1hとなる)

 

RNS-W (A)

Aleksandrowsk Saxalinskie

51°05’N

142°43’E

100 400 08h00m

20h00m

14h00m

02h00m

 

5×10-12

毎月20、21日は保守整備のため停波

「夏時間」時には時間が1時間繰り下がる(+1hとなる)

 

RW-166

Irkutsk

-

100 800 13h00m

23h00m

19h00m

03h00m

10  

5×10-12

毎月第1、第2、第4木曜日の09h00m-18h00mは保守整備のため停波

 

 3.毎時送信スケジュール

(1)RBU

 00m00s - 60m00s DXXXW 信号

rid1.jpg (44572 バイト) 信号は100Hzと312.5Hzが重畳されたもので、『短波』1980年12月号の時報局特集で、川口大助氏はこれを「リズミックパルス」と呼称している。

 

(2)RTZ

00m00s - 04m55s A1X 信号とDUT1+dUT1の告知
 05m00s - 06m00S モールス符号による局名告知
 06m00s - 58m55s 無信号(無変調)
 59m00s - 59m55s A1N 信号
(3)RWM

 (時間信号A1Xは毎秒1Hz、100mSの期間である。分信号は500mSに拡張される。)

 00m00s - 07m55s 無信号(無変調)

 08m00s - 09m00s 送信停止

 09m00s - 10m00s モールス符号による局名告知

 10m00s - 19m55s A1X 信号とDUT1+dUT1の告知

 20m00s - 29m55s DXXXW 信号

 30m00s - 37m55s 無信号(無変調)

 38m00s - 39m00s 送信停止

 39m00s - 40m00s モールス符号による局名告知  40m00s - 49m55s A1X 信号とDUT1+dUT1の告知

 50m00s - 59m55s DXXXW 信号

局名はモールスで、"VVV CQ CQ CQ DE RWM RWM"と3回繰り返される


(4)RID

(時間信号は毎秒10Hz、20mSの期間である。秒信号は40mS、分信号は500mSに拡張される。) 

 00m00s - 09m55s A1N 信号とDXXW 信号

 10m00s - 17m55s 無信号(無変調)

 18m00s - 19m00s 送信停止

 19m00s - 20m00s モールス符号による局名告知

 20m00s - 29m00s A1X 信号とDUT1+dUT1の告知

 30m00s - 39m55s A1N 信号とDXXW 信号

 40m00s - 47m55s 無信号(無変調)

 48m00s - 49m00s 送信停止

 49m00s - 50m00s モールス符号による局名告知

 50m00s - 59m55s A1X 信号とDUT1+dUT1の告知

 (注)4、9、14、19、・・・・ 54、59分の56、57、58、59秒信号は除外される
局名はモールスで、"RID"と15回繰り返される。

 

(5)ULA−4

 00m00s - 09m55s A1X 信号とDUT1+dUT1の告知

 10m00s - 19m55s A1N 信号

 20m00s - 27m55s 無信号(無変調)

 28m00s - 29m00s 送信停止

 29m00s - 30m00s モールス符号による局名告知

 30m00s - 39m55s A1X 信号とDUT1+dUT1の告知

 40m00s - 49m55s A1N 信号

 50m00s - 57m55s 無信号(無変調)

 58m00s - 59m00s 送信停止

 59m00s - 60m00s モールス符号による局名告知

(6)RW−166

 00m00s - 60m00s A3E 信号

(7)RAB-99、RJX-69、RJX-77、RJX-86、RJX-90

 06m00s - 07m00s モールス符号による局名告知(搬送波25.0kHz)

 07m00s - 10m00s 無信号(無変調)

(搬送波25.0kHz)

 10m00s - 13m00s A1N 信号(40Hz)

(搬送波25.0kHz)

 13m00s - 22m00s A1N 信号(10、1、1/10、1/60Hzのインパルス)

(搬送波25.0kHz)

 22m00s - 25m00s A1N 信号(40Hz)

 25m00s - 27m00s 送信停止

 27m00s - 30m00s 無信号(搬送波25.1kHz)

 30m00s - 32m00s 送信停止

 32m00s - 35m00s 無信号(搬送波25.5kHz)

 35m00s - 38m00s 送信停止

 38m00s - 41m00s 無信号(搬送波23.0kHz)

 41m00s - 44m00s 送信停止

 44m00s - 47m00s 無信号(搬送波20.5kHz)

(8)RJX−63

 06m00s - 07m00s モールス符号による局名告知

 07m00s - 09m00s 無信号(搬送波25.0kHz)

 09m00s - 11m00s A1N 信号(40Hz)

 11m00s - 20m00s A1N 信号(10、1、1/10、1/60Hzのインパルス)(搬送波25.0kHz)

 20m00s - 21m00s 送信停止

 21m00s - 23m00s 無信号(搬送波25.1kHz)

 23m00s - 24m00s 送信停止

 24m00s - 26m00s 無信号(搬送波25.5kHz)

 26m00s - 29m00s 送信停止

 29m00s - 31m00s 無信号(搬送波23.0kHz)

 31m00s - 34m00s 送信停止

 34m00s - 36m00s 無信号(搬送波20.5kHz)

 36m00s - 40m00s F1 信号(搬送波20.50±0.05kHz)

(9)RNS−E(A)、RNS−E(W)

 00m00s - 60m00s A1N 信号

(10)RNS−W(A)

 00m00s - 60m00s A1N 信号(期間80mS)



PBUTT18.GIF (2642 バイト)