標準時報局 VNG(オーストラリア)

vng1.jpg (886728 バイト)QSL  


 VNGは、1964年9月21日に、オーストラリア郵政省の手によって、ビクトリア州のLyndhurstで産声をあげた。当時は、4.5MHz(18:45-06:30)、7.5MHz(07:45-07:30)、12MHz(06:45-18:30)というスケジュールでの運用だった。しかし、資金難のため、1987年10月に一時閉鎖されたという経緯がある。
 新生VNGは、政府機関の資金援助ではなく、VNG Users Consortium(VNG利用者資金援助団体)により、運用資金が作られている。この団体は、1988年に発足、個人は100ドルを、組織は2000ドルを資金提供することが決められている。これによって、1万ドル以上の資金が調達され、同年、機器はニューサウスウェールズのLlandiloにあるオーストラリア航空サービス(AirService Australia)の 国際送信所(International Transmitting Station)(元の民間航空管理局(Civil Aviation Authority))に移設された。

現在の状況
 国立標準委員会(National Standards commission)は、1992年11月にAUSLIG(Australian Surveying and Land Information Group)からVNGの資金の仕事を引き継いだ。そして、1993年1月12日には送信免許が移管された。
 1992年1月15日には、時刻アナウンスが加わり、シドニー都市部の受信状況改善のため、2.5MHz1kW送信が1992年10月7日から開始された。また、1994年には、テープからデジタルへと音声システムが入れ替わった。

技術的詳細
(1)ロケーション
 南緯33゜42’52”、東経150゜47’33”、
ニューサウスウェールズのLlandiloにあるオーストラリア航空サービスの国際送信所から送信。

(2)送信機
送信にはSTCの短波AM送信機を用いている。2.5MHzはSTC4SU55A/S送信機を、5MHz、8.638MHz、12.984MHz、16MHzはSTC4SU48B送信機を使用している。

vng3.jpg (51877 バイト)送信設備  vng2.jpg (70615 バイト)周波数、時刻標準

(3)周波数、出力
 2.5MHz  1kW
 5MHz 10kW
 8.638MHz  10kW
 12.984MHz 10kW
 16MHz   5kW
(注)8.638MHzと12.984MHzはオーストラリア海軍の周波数を借用している。

(4)アンテナ
2.5MHz  垂直アンテナ
5MHz クアドラントアンテナ
8.638MHz デルタマッチ・クアドラントアンテナ
12.984MHz デルタマッチ・クアドラントアンテナ
16MHz デルタマッチ・クアドラントアンテナ

vng4.jpg (47711 バイト)VNGのアンテナ群

(5)送信スケジュール
2.5MHz  24h
5MHz 24h
8.638MHz 24h
12.984MHz 24h
16MHz 07:00〜19:00JST

(6)局ID
2.5MHz  音声による
5MHz 音声による
8.638MHz モールスによる
12.984MHz モールスによる
16MHz 音声による

*アナウンスは、毎時15分、30分、45分、60分。
*音声は、AWAディジタル音声録音機を使用。

(7)送信による時間遅れ
 5MHz、8.638MHz、12.984MHz、16MHzの送信による遅れは、190μSである。
 
(8)信号の精度
 時間と周波数の情報は、ビクトリア州、ClaytonにあるTelstra研究所に源を発する。搬送波及び1kHzトーンの周波数は、10−11以内である。

(9)受信報告書
 受信報告書の宛先は、
Radio VNG,National Standards Commission, P.O.Box 282, North Ryde NSW 1670,Australia.
なお、レポートにはIRC1枚または1ドルの返信料を求めている。

送信スケジュール
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【Web Site】http://www.nsc.gov.au/InfoServ/Ileaflet/il15.htm
 


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