がりがりとんぼ    2023.05.23

 目的もなく買ってしまった5mm角の棒が「何か形にしてくれ」と叫んでいるようなきがする。そこで、昔の玩具に出ていた「がりがりとんぼ」をこれで作ってみることにした。少し細いような気がするが、小さい子にはちょうどいいのではなかろうか。

 がりがりとんぼ(参考にした本では「すりこぎとんぼ」と出ていた)は、棒の表面に凹凸をつけ、これをこすると振動により、先端に付けた羽根が回転するというものである。ウェブページを調べると、振動を回転に変換するメカニズムを研究している事例はいろいろあるようだ。→(参考Web)

 このおもちゃはやってみるとわかるが、そう簡単ではない。コツをつかまなければ回転しないし、左右に回転を変えることなど至難の業だ。これはこどものおもちゃによい。あれこれやってみなければ上達しないのだ。かといってそう難しいわけではないので、楽しく孫と遊べそうだ。今回は、これを入れる箱も作ってみた。ちょっと豪華な感じになる(笑)。

 製作は、『江戸時代で遊ぶ本 からくり玩具をつくろう』(鎌田道隆・安田真紀子著、河出書房新社、1998.3)を参考にした。
 材料は、5mm角棒(長さ240mm、マホガニー製~DIYショップコーナンで購入)、厚さ2mmのバルサ材(60×10mm、同じショップにて)、ツマヨウジ(1本)

図1 箱に入れたがりがりとんぼ


図2 本体

図3 こすり棒

図4 プロペラ止め

図5 プロペラ

1.加工
(1)本体をつくる

 本体は赤印をつけたところを削っていく作業である。まず印をつけたことろに切り込みを入れる。切り込みは角材の面ではなく角に入れる。全体の1/3くらいが切り込み深さの目安。この切り込み線に向かって両側からナイフで溝を切り込んでいく(図6参照)。少しずつすると失敗が少ない。

図6 切り込みを入れる

図7 切り込みが入った様子

(2)プロペラの加工
 プロペラには軽量なバルサ材を用いた。真ん中に穴をあける。角は丸みをつけておく。プロペラには黄色で塗装をしておいた。穴のまわりは塗らない。

(3)軸受用の穴あけ

 本体とプロペラ止めに穴をあける。木の繊維に沿って穴開けをするが、最初から2mmの穴をあけると割れる恐れがある(私も2回目は割れてしまった)。まず1mmであけ、その後2mmと2段階にすると割れにくくなる。本体に穴をあける場合、棒が長いためドリルなどが使えない。私はピンバイスを使い、じっくりと穴をあけた。

 本体とこすり棒ができたら、全体に角を削り、サンドペーパーをかけておく。木の色つやをきわだたせるために、私は蜜蝋ワックスを塗り込んだ。これは、アメリカの「Old Village」の蜜蝋ワックス(Touch-up Dark)で、東急ハンズで購入した。

2.組み立て
 ヨウジを12mmくらいにカットし、まず本体に差し込む。かるく叩けば、接着剤なしで止まる。プロペラを入れ、プロペラ止めをヨウジにさす。さかさにして本体の方を叩いてヨウジを入れていく。本体とプロペラ止めの間に少しだけすきまができるように慎重に叩く。
 終わったら、プロペラがスムーズに回ることを確認する。

図8 プロペラを止めた様子

これで完成である。


<ものづくりのページに戻る>

<HOMEに戻る>