豊稔池堰堤 update:2019/05/08 | |
梅雨期の降水量が少ない香川県では、夏場の水不足を解消するため、古くから多くの溜池が造られてきた。満濃池はその代表的なものである。豊稔池は、農業用水を蓄えるために造られた溜池で、1930(昭和5)年に竣工している。このダムは、マルチプル・アーチダムと呼ばれる。上流面の堰堤にアーチ状の構造物が並ぶ形をとっているためである。このアーチを6本の柱状の構造物がアーチにかかる水圧を受け止めている。この柱をバットレスと称する。バットレスの上部に四角い穴がある。吐水口と呼ばれ、溜まった水量が多くなると、ここから吐き出される。ダムは1997(平成9)年に国の登録有形文化財に登録された。 バットレスと吐水口 溢水堰流路 堰堤上部のアーチ 竣工碑(左は昭和8年のもの、右は平成6年の改修工事のもの) 昭和8年の竣工碑の碑文を以下に記載する(読み取れない文字は■で示した)。
旧土砂吐樋門 旧中樋取水口 火薬庫跡 自家用車のない者にとっては、豊稔池までの交通機関は、観音寺市ののりあいバスのみである。観音寺駅左手にある駐車場の一番奥にバス停がある。1日4便だが、帰りを考えると実質2便となる。観音寺駅を8:52と12:17である。8:52は豊稔池まで行くが、12:17は途中の谷上(たにがみ)までしか行かないので、約25分ほど歩くことになる。帰りは13:05(谷上発)、16:11(田野々発)後者が豊稔池を通る。所要時間は約1時間、運賃は100円。但し、地元住民のためのバスなので、恐ろしいほどにまわりくどいコースを通る。これを考えるとJR「豊浜」駅にタクシーがあるので、これを使えば15分ほどで到着すると思われる。 【おまけ】 観音寺市内には、この他に「観音寺市水道局旧ポンプ室」や「三架橋」があるので、あわせて訪れるとよい。 (1)観音寺市水道局旧ポンプ室 この建物は、観音寺市水道局のポンプ室として、1937(昭和12)年に竣工した。しかし、1979(昭和54)年に現在の浄水場が完成したため、1980(昭和55)年にその役目を終えた。 財田川に沿う道路を東に行くとよい。構内には入れないが、柵ごしに見ることができる。 住所:観音寺市茂木町5-4 交通:JR観音寺駅より、徒歩25分 (2)三架橋 財田川にかかる鉄筋コンクリート製の橋で、「日本の橋百選」にも選ばれた。橋の上部のアーチが鉄筋コンクリート製の橋は珍しい。元々は「参賀橋」と称し、琴弾八幡宮への参拝のために架けられた。今の橋は、1935(昭和10)年竣工。長さ93.1m。 住所:観音寺市観音寺町5 交通:JR観音寺駅より、徒歩15分 |
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■交通: JR「観音寺」駅下車、観音寺市のりあいバス「五郷高室線」で「豊稔池」下車すぐ (または、JR「豊浜」駅よりタクシー) ■住所: 香川県観音寺市大野原町田野々 ■観音寺市のwebページに豊稔池ダムの案内図がある→http://www.city.kanonji.kagawa.jp/uploaded/life/16068_27769_misc.pdf |