石岡第一発電所   update:2019/08/11

 石岡第一発電所施設は、日立銅山の電力不足を補うために1911年に竣工した。本館は現存する最古の鉄筋コンクリート造の建造物として価値がある。
 発電所は大北川沿いにあり、JR磯原駅または南中郷駅からタクシーを使うか、北茨木市巡回バスを利用することになる。

本館発電機室(1911年竣工)

本館変電室(1916年竣工)

本館旧変圧器室(1911年竣工)

本館への鉄管水路

本館発電機

石岡第二発電所本館(1913年竣工)

発電所入口に説明板があり,以下のように書かれている。
石岡第一発電所
 石岡第一発電所は、認可出力5500キロワットの茨城県内最大の水力発電所で、当初は、日立鉱山の自家用発電所として建設されました。
 日立鉱山の事業は、明治30年代後半から40年にかけ日増しに発展し、明治42年には大規模な精錬所を日立大雄院に建設することとなり、その電力需給の増加に対応するために石岡発電所は建設され、明治44年10月に竣工しました。
 石岡第一発電所には、当時の最新技術が多数用いられています。例えば、水路終端部の窪地に、日本はもとより外国にもその実例がなかった鉄筋コンクリート製のサイフォン管を採用すると共に、水圧鉄管下部の圧力の高い部分には、当時としては最新のドイツ製溶接管を採用し、著しく重量を軽減しております。特に発電所本館は、我が国に現存する最古級の鉄筋コンクリート造りの建築物として非常に貴重な建物です。
 これらの諸施設は、産業技術上の高い価値が認められ、平成20年12月2日に国の重要文化財に指定されました。

石岡第一発電所 重要文化財一覧
名称      構造及び形式
取水えん堤  重力式コンクリート造えん堤 堤長30.0m
         堤高6.2m、制水門、排砂門、石積護岸及び第1号開渠附属
沈砂池     鉄筋コンクリート造 延長53.5m
         上下流制水門付、側水路(上流制水門含む)
         余水路及び第2号開渠附属
第1号水路橋 鉄筋コンクリート造単アーチ橋 橋長12.2m
第2号水路橋 鉄筋コンクリート造単アーチ橋 橋長20.0m
水槽      鉄筋コンクリート造 延長35.9m、上流制水門付
水槽余水路 側水路(上下流制水門を含む)附属
         石造及び鉄筋コンクリート造 延長212.7m、水槽排砂路
         水槽・調圧水槽間水抜路及び減勢池附属
調圧水槽   鉄筋コンクリート造円筒型水槽
         直径8.2m、高さ11.0m、接続部附属
本館発電機室 鉄筋コンクリート造、建築面積264.99㎡
          鉄板葺、放水路及び石積護岸附属
本館旧変圧器室 鉄筋コンクリート造、建築面積139.25㎡
            鉄板葺、東面発電機室に接続
本館開閉器室  鉄筋コンクリート造、建築面積149.06㎡
           二階建、鉄板葺、高圧線引入口付、東面変圧器室に接続

⑤水槽について
平成23年3月11日東北地方太平洋沖地震後に改築したため重要文化財の指定を解除

《石岡第一発電所諸元》
認可最大出力:5,500kW
使用水量  :3.9?/s
有効落差  :160.94m

東京発電株式会社茨城事業所
TEL 0294(24)5311



■交通: JR常磐線「磯原」駅または「南中郷」駅よりタクシーまたは北茨木市巡回バスを利用
      (バスの場合は、「常磐炭鉱前」下車、徒歩25分)

■住所: 本館 茨城県高萩市大字横川、同北茨木市中郷町石岡
      第二発電所 茨城県北茨城市中郷町石岡69-1


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