からくりおもちゃ    2022.04.10
 
 カムを使った簡単な機構の「からくりおもちゃ」を作ってみました。カムでピンを上下に動かすという機構なので、この動きで何を表現するかが一番難しいところです。最終的に、クジラが口をあけたりしめたりしながら、潮を吹くというおもちゃにしました。さて、孫たちはおもしろがってくれるでしょうか?

図1

1.材料の加工

(1)クジラをつくる
 手持ちの赤茶色の木材を使用して、図2のように削り出した。尾の部分まで立体的に削り出す自信がなかったので、形を作り、あとで接着した。同じ材料で下あごの部分を作った。噴水用の穴は、完成後に土台とあわせて位置を決める。穴は3キリである。

図2

図3

(2)機構部分を作る
 クジラをのせる土台を作った。この部分には、下あごの機構部分を作る。またピンを出し入れする穴開けが必要になる。
 板厚が薄いとピンが動くときにブレが生ずるので、15mm厚の板を2枚貼り合わせ、30mm厚とした。はじめに別々に加工をしておき、完成したらボンドで貼り合わせた。板の寸法は120×40×15mmである。図4が上部になる板で、下あごが可働する部分を四角く切り取り、あとは階段状に切り取った。図5の板が下部となる板である。これは穴あけだけである。上部と下部の穴が合うように接着する。両端にズレが生じたら、あとで調整すれば良い。

図4

図5


(3)側板・底板をつくる
 側板、底板は厚さ5mmのアガチス材を使用した。形状は側板は図6、底板は図7の通り。側板は同じものを2枚つくる。

図6

図7

(4)ハンドル・カムをつくる
 軸を回すハンドルは、5mm厚のアガチス材を使用。持ち手の部分はφ5の丸棒(長さ20mm)を使用した。
 カムはピンがなめらかに動くように楕円形状の形にした。厚さ8mmの材料を加工した。穴は8mmの棒にきつめに入るようにする。棒に接着して固定してしまうとあとで調整ができなくなる。

図8  図9


(5)軸の加工と緩衝材
 軸はφ8の丸棒を使用した。長さは165mm。片方の端から4mmのところに2キリの穴をあけておく。組み立て時に2mmのピンをさして軸を固定するためである。
 また、ハンドルと側板との間に緩衝用の木製ワッシャーを入れ、ハンドルが直接側板に接触しないようにした。材料は厚さ2mmのバルサ材を使い、カッターナイフで円形に切り抜いた(図10)。

図10

(6)ピンの加工
 機構部分のピンにはφ5の丸棒を使用した。下あご用が長さ25mm、噴水用が長さ30mmである。下あご用は、両端を丸く加工し、接触部がなめらかに動くようにしておく。噴水用は、片方の端にノコギリで切り込みをいれ、そこに梱包用のPPバンドを幅1.5mmほどに切ったものを2本差し込み、接着剤で固定した。PPバンドの長さは30mm。ppバンドは最初は開いていない状態で取り付けないと、穴にうまく入らない。噴水のように広げるのはすべてが完成してからがよい。

2.組み立て
 材料の加工が終わったら組み立てに入る。すんなりいかない場合が多いので、少しずつ動作を確認しながら組んでいく。特に接着部分は一度接着すると元に戻しにくいので、注意が必要である。全体図を図11に示す。

図11

(1)土台にクジラを固定する
 まず、下あごの部分をヨウジなどで仮止めし、動きを確認する。よければ、ピンを差し込み、出たピンは薄刃ノコで切り取る。
 クジラの噴水用の穴と土台の穴が重なるようにして、クジラを接着する。

(2)土台と側板を接着
 土台と側板の片方を接着する。この状態で、もう一方の側板は接着せず、仮組みして、ピンやカムなどを組んでみて動作を確認した。よければもう一方の側板と土台を接着する。底板をあらかじめいれておくのを忘れないこと。
図12

(3)カム機構部をつくる
 φ8の棒にカムをさす。ピンを差し込み、この状態で予定通りの動作となるかを確認する。よければφ8の棒の端に2mmのピンを打ち込み、一方の端を固定する。続いてハンドル側を組む。環状材のワッシャーを入れてから、ハンドルをφ8棒に押し込む。持ち手はあらかじめハンドルにさし、接着しておく。最後に噴水用ピンから出ているppバンドを噴水のようにひろげる。

図13

図14

 
完成!口をあけるのと噴水のタイミングは、カムの位置を変えて調整してください。

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