天野川・尺治川砂防堰堤 |
交野市内を流れる天野川は、しばしば洪水被害を起こしており、このため明治中期に本格的な砂防工事が行われた。天野川砂防堰堤は、1899(明治32)年に築造されたもので、大阪府で最古の砂防施設である。傾斜勾配は約17度。
天野川砂防堰堤
尺治川は、府民の森より流れ出て天野川に合流する川である。尺治川砂防堰堤は、天野川との合流地点に設けられている。
尺治川砂防堰堤
京阪電車交野線の終点「私市駅」(きさいちと読む)から10分ほど歩くと「水辺プラザ」と称し、天野川岸を整備した場所に出る。この「水辺プラザ」の一角に「尺治川砂防堰堤」がある。「天野川砂防堰堤」は、ここから天野川の上流に向かって5分ほど歩いた場所にある。
それぞれの堰堤近くには登録有形文化財の説明板があり、以下のように記述されている。
登録有形文化財[天野川砂防堰堤] この石積みの堤は、明治32(1899)年につくられた、大阪府内で一番古い砂防施設です。 堤が土砂の流出を食い止めることで、今も災害を防いでいます。 スロープ状の石積みの表面をゆるやかに落ちる水の流れが白いしぶきとなり、美しい水辺空間をつくりだしています。 登録番号第27-0212号 文化財登録平成15年1月31日 石造堰堤、堤長7.1m、堤高1.7m、堰堤左右護岸及び下流側左護岸付 (大阪府枚方土木事務所) |
登録有形文化財[尺治川砂防堰堤] 尺治川と天野川が合流する地点につくられた砂防堰堤です。 川の流れが変わったため、現在はその働きを終えています。 堰堤本体は、切石を積み上げ、最上段の石積み中央に水を通す部分を設けています。 両側の護岸も切石積みで、どちらにも段差をつけるユニークな構造になっています。 堰堤の下流川には、ていねいに石を敷き並べた石畳を取りつけ、全体がコの字型の平面形となっています。 登録番号第27-0213号 文化財登録平成15年1月31日 石造堰堤、堤長9.2m、堤高2.2m、下流側左右護岸付 (大阪府枚方土木事務所) |
◆施設の場所:大阪府交野市私市7丁目 ◆交通機関:京阪電車交野線「私市駅」下車 徒歩10分 |