郡山市の近代建築    2023.10.06

 郡山市の近代建築について以下に示す。下記以外に、開成館(改修中で見学できず)や、安積歴史博物館(旧福島県尋常中学校)(時間がなく未訪問)がある。郡山市は、安積疏水により、水源が確保され、開墾が進んだ。また、疎水の水を使用して水力発電が行われるようになり、これによって紡績工場などが進出し、工業、商業が盛んになった土地である。(写真撮影は2023.10.3)


①聖ペテロ聖パウロ教会

 



◎竣工年:1931年
◎所在地:郡山市麓山2-9-23

②郡山公会堂

 



 
説明板には次のように記されている。
国登録有形文化財
郡山市公会堂
平成14年6月25日登録
 郡山市は、1924(大正13)年9月1日に、郡山町が小原田村を合併し、人口39,003人を有する市として、市制を全国で99番目に施行しましたが、同年、これを記念して郡山市公会堂も完成しました。構造は、鉄筋コンクリート造2階建、銅板葺、建築面積1,102㎡で塔屋付です。
 設計については、大蔵大臣官房臨時営繕課長であった矢橋賢吉が、当時、臨時国会議事堂建設局長も兼任していたため、監修的に携わり、実際には、矢橋からオランダ・ハーグ平和宮の図面を示されて指示を受けた部下の荻原貞雄があたりました。また、短期間ながら郡山町の建築技師であり、郡山における建築設計事務所の草分け的役割を果たした高梨幸平太の覚え書きによると、彼は荻原の下で公会堂の施工監理に携わっていたことが記されています。
 公会堂の建築的特徴は、連続半円アーチの柱廊と、窓台受、上げ下げ連窓などを丁寧にデザインした躯体の隅に、縦長ガラス面で垂直性を強調した塔屋を設けている本格的様式建築であることです。
郡山市教育委員会
 

◎竣工年:1924年
◎所在地:郡山市麓山1-8

③安積疏水麓山の飛瀑

滝の湧水部

麓山の飛瀑


説明板には以下のように記されている。
国登録有形文化財
安積疏水麓山の飛瀑
平成14年6月25日登録
 安積疏水の飛瀑は、安積疏水の開さくにおける分水路78km(第6番工事区)の開さくにより、逢瀬町多田野の第5分水路を取水口として郡山方面に導水(注水)するため、疏水路郡山支線の一環として1882(明治15)年に建造された人工の滝です。
 構造は、約1.8mの越流部を突起付石積柱で挟み込み、その両側に土留壁、底部に水叩き及び水路を石造で築いており、堤長14m、堤高8m、水路延長23m付となっています。
 当時の地元関係者の記録等によると、この麓山の飛瀑は、疏水を麓山の南側地域に延長して水を流すと、土地の高低差によって下流部の流れが急になり、水路を破損する危険があるので、水の流れを緩衝するとともに、丘陵地である麓山の地形を利用し、落下導水式による水力発電など多目的に活用することを企図して、建造されたものです。
郡山教育委員会
 

 昭和の初期以降に滝の大半が埋められ、一部のみが残されたが、1991(平成3)年4月に、郡山市民の手によって復元された。

◎建造年:1882年(1991年復元)
◎所在地:郡山市麓山1丁目4−3

④郡山合同庁舎(旧郡山市役所)

 

◎竣工年:1930年
◎所在地:郡山市麓山1-1-1

⑤金透記念館(旧金透学校)



 郡山市立中央公民館金透分室の建物の上部に記念館が1978年に再建された。記念館は、金透小学校の敷地に隣接していて、立ち入りができないため、道路からの撮影である。記念館への入館は予約制とのことである。詳細は、https://www.city.koriyama.lg.jp/soshiki/43/6950.html

◎竣工年:1876年(1978年)
◎所在地:郡山市堂前町5-21


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