旧中林綿布工場・事務所棟・受電室(熊取交流センター)         update:2019/12/27
 1907(明治40)年に設立された中林綿布が明治・大正期に建設した受電室、昭和初期に建設した汽罐室、工場、事務所棟が町の交流センターとして保存・活用されている。



 JR熊取駅より15分ほど歩くと、公園の隅にまず旧受電室の建物がある。ここに各建物の簡単な説明がある。旧受電室の隣には旧事務所棟が、その横に旧汽罐室を含む工場の建物がある。
 交流センター事務所の壁に、中林綿布工場の来歴が書かれている。

中林綿布本社工場の沿革と熊取交流センター

 中林綿布は九世中林孫次郎が明治40年(1907)、紺屋に工場を設立し、明治末期から大正時代にかけて泉州地域一円に広く事業を展開していきました。昭和3年(1928)頃には、紺屋工場に隣接して池田谷久吉(泉佐野)が設計を手がけた煉瓦造、平屋建の巨大な新工場(約5,300㎡)が建設されました。新工場には、最新鋭の遠州織機株式会社の阪本式自動織機529台をいち早く導入し、生産を拡大するなど、泉州の織物業界をリードする存在となりました。昭和6年(1931)には、438人もの従業員を有し、工場敷地には従業員用の宿舎や食堂が建ちならび、ひとつの町のような賑わいを呈していました。昭和10年(1935)、中林綿布は紺屋工場、佐野工場、佐野川工場、中内工場の4工場あわせて約2,700台の織機が稼働していました。
 しかし、平成4年(1992)に新工場は64年にわたる役目を終え、平成7年(1995)、中林綿布株式会社のご厚意により、熊取町に工場建物が寄付されました。その貴重な産業遺産の保存活用として、泉州地域における往時の繊維産業の隆盛を後世に伝えるとともに、熊取町の歴史や文化の発信、さらには生涯学習などの住民の交流拠点として、平成17年(2005)11月、熊取交流センター(愛称:煉瓦館)が開館しました。

※町指定文化財(平成15年3月)
 旧中林綿布工場、汽かん室、事務所棟、受電室

平成17年11月
熊取町

■旧受電室
 明治期に建設された工場建物に付設して建設された建物である。現在は、使用されていない。

 

■旧事務所棟
 工場の事務所として使用されていた木造平屋建、寄棟造、桟瓦葺の建物。現在はコミュニティー支援室として使用されている。



■旧汽罐室
 
煉瓦造平屋建の建物で、中に巨大ボイラーが設置されていた。中庭に設置されていた2炉筒丸ボイラ(ランカシャボイラ)の一部が残されている。ボイラの説明板あり。



 

ランカシャボイラ(町指定文化財 附)

 この工場が建設された昭和初期から汽かん室(現事務所)に設置されていた二炉筒丸ボイラと呼ばれるものです。
 水缶内に二本の炉筒(円筒形の燃焼室)を設けたものをランカシャボイラといい、イギリスのランカシャ地方で広く使われていたためこの名があります。構造が簡単で操作、運転、清掃がしやすい反面、熱効率はよくないためやや大掛かりな煉瓦組みが必要となります。
 糸切れのない、良質な綿布製品を得るには、湿度75~80%に保つ必要があるといわれこのボイラから発生する蒸気により、常に工場内を加湿していました。
 直径1.8m、全長7.4m、最高圧力8.4kg/㎡で70%近い熱効率を誇りましたが、現在この時代(型式)のボイラは少なく、貴重な資料といえます。
 なお、ボイラの内部構造がよくわかるように両端部のみを残し、中央部分はベンチとして利用できるように作り変えたものです。 

■旧工場
 工場の外壁のみが残る。また、交流センター内には、当時使用されていた自動織機が保存されている。

 

 

■熊取交流センター
 ・開館:9:00~22:00(水曜日は17:30まで)
 ・休館日:毎月第4水曜日、年末年始(12/29~1/3)
 ・所在地:〒590-0415 大阪府泉南郡熊取町五門西1-10-1
 ・TEL:072-453-0391 FAX::072-453-0878
 ・URL:https://www.town.kumatori.lg.jp/shisetsu/rengakan/


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