栗山浄水場配水塔 |
北総線の「矢切駅」から北に向かって5分ほど歩くと、西側に配水塔の丸屋根が見え隠れする。配水塔は浄水場の芝生とのコントラストがたいへん美しく、コンクリート造の建物は高さ31.9m、1937(昭和12)年に竣工した。この施設の詳細については、浄水場の門前に掲示がある(以下参照)。
土木学会選奨土木遺産 2006 千葉県水道局 栗山配水塔 栗山配水塔は、千葉県営水道創設期に、千葉高架水槽(千葉市中央区矢作町)と同時期に建設された高架水槽です。 千葉県では、昭和の初めごろから、交通機関の発達による東京からの人口流入に伴う都市化に対し、衛生的観点から、近代水道の設置が強くクローズアップされるようになりました。1934年(昭和9年)3月31日、内務省(当時)の認可を受け、千葉市周辺及び東葛・葛南地域において、千葉県営水道創設事業が始まりました。 東葛・葛南地域においては、栗山配水塔から北方に約5km離れた江戸川水源工場(当時)で江戸川から取水し、浄水処理した水を送水ポンプにより栗山配水塔に揚水し、塔の圧力によって浦安町や検見川町(いずれも当時)などへ配水していました。 現在では、栗山浄水場の配水塔として、松戸市及び市川市一帯約20万人に対して配水を行うとともに、松戸給水場及び船橋給水場への送水管の調圧水槽として、重要な役割を担っています。 栗山配水塔は、円筒形の胴体にドーム状の塔屋が被さり、頭頂部には4本柱の換気口が備わっており、また、周囲のテラスは配水塔全体の意匠を引き締めています。バランスのとれた美しいたたずまいは、太平洋戦争においても攻撃をまぬかれ、ほぼ竣工当時の姿を保ちながら、千葉県営水道及び周辺地域の発展の歴史を見つめてきました。 この栗山配水塔は、社団法人土木学会から、平成18年度の土木学会選奨土木遺産に認定されました。
千葉県水道局 |