水道博物館(Waterworks Museum)   update:2018/03/16
入口 展示館

 水道博物館は、漢江の北岸、トゥクトアリス浄水センターに隣接する地にある。1908年、このトゥクト水源地第1浄水場からソウル市民へと最初の水道水が送られた韓国の近代上水道発祥の地である。博物館は、展示館、本館、別館、緩速ろ過池、屋外展示場からなる。このうち本館は旧送水室(1907年建造)の建物が使用されている。緩速ろ過池は、韓国に残るコンクリート建造物で最も古いもので、内部を見ることができる(1908年完工)。

 展示館には、森の役割、暮らしの中の水などをテーマに展示が行われている。
水の汚染源

 別館には、上水道技術の発展などが展示されている。
昔の道具

 本館には、当時の送水ポンプ室の様子が再現され、ポンプ等の機械類も展示されている。建物の入口左には「京城水道揚水工場」の銘板がある。本館前にある説明板には次のような記述がある(記述は韓国語、英語、中国語、日本語)。
送水ポンプ室

指定番号:ソウル特別市有形文化財第72号/次代:1907年(隆煕元年)
所在地:ソウル特別市城東区聖水洞1街642-1番地

 ここは韓国初の上水道水源池施設である。米国人であるコルブランとボストウィックが1906年8月に送水室及
び濾過池建設に着工し、送水室は1907年、濾過池は1908年8月に完工した。送水室は赤煉瓦造りに切妻屋根を載
せた工場型建物である。建物入り口に花崗岩のアーチ型ポーチを設け、出入り口と左右の窓枠も花崗岩をアーチ
で囲み、建物の正面を強調した。送水室の西側の緩速濾過池もまた韓国の近代初期に建てられた鉄筋コンクリー
ト造りの建造物だ。これは韓国に紹介された近代工法の中で最も古い物の一つである。観測濾過池の出入り口と
上部の芝庭に取り付けられた換気口周辺の装飾は20世紀初期デザインの傾向と工法を伝える貴重な史料である。
現在は水道博物館として使用されている。 

送水室

送水室

ポンプ(1971年製)

モーターと減速機(1956年製)

三相誘導電動機とポンプ(1926年製)

創立時の扁額

 緩速ろ過池は水を砂と砂利の層を通過させることで、ろ過する装置である。内部を見ることができるところは少ない。
ろ過池入口

内部

ろ過池出入口

屋外展示~歴代のポンプ等が並ぶ

 館内の説明文は韓国語、英語が基本だが、ところどころ日本語表記もある。日本語パンフレットあり。


■開館時間:10:00~20:00(3月~10月の平日:土日祝日は19:00まで)、10:00~19:00(11月~2月の平日、土日祝日は18:00まで)
■休館日: 月曜日(祝日のときは翌日)、1月1日、旧正月、秋夕
■入館料: 無料
■交通: 地下鉄盆唐線「ソウルの森」駅下車、3番出口直進5分/地下鉄2号線「トゥクソム」駅下車、8番出口徒歩15分
■住所: 韓国ソウル特別市城東区往十里路27 電話:02-3146-5921、 FAX:02-3146-5939
■Web: http://arisumuseum.seoul.go.kr/
 (韓国語/英語)

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