はしごくだり    2021.3.5
 
 「はしごくだり」というおもちゃを作ってみました。「はしごだるま」という名称で紹介されている場合もあります。
 「こま」がはしごを上から順に回転しながら落ちていくおもちゃです。「こま」をうまく作らないと途中でひっかかったり、はずれたりします。
このような簡単そうに見えるおもちゃにも"かんどころ"というのはあるものです。
 寸法等については『からくり玩具をつくろう』という本を参照しましたが、「こま」の作り方については、『伝承おもちゃをつくる』が参考になりました。

図1  図2

 はしごと「こま」を図1,2に示します。「こま」の左は最初の作(失敗作)、右が2回目の作である。

1.はしごをつくる


 図3に図を示します。

図3 図4 図5

 材料は、台:90×140×10mm、柱:10mm角材で長さ450mmを2本、横木:90×8×2を6本。横木は上になる側面を丸く加工しておくと、「こま」が回転しやすくなります。それぞれの材料を加工したのち、組み立てます。組み立てのポイントは、柱を台に対して垂直にすること、横木が水平にとりつけられていることです。私は次のようにつくりました。台に1本の柱をボンドで取り付け、平らな場所に置いて、ボンドが乾かないうちに、三角定規で柱と台の直角を確認します。ボンドが乾いたら台をひっくり返し、2本目の柱を同様に取り付けます。このとき、一番上の横木をとりつけ、クリップ等で保持しておくと柱の間隔がきちんと保持されます。柱のボンドが乾いたら、すべての横木を取り付けます。
2.「こま」をつくる
 
「こま」の寸法を図6に示します。30mmの角材、長さ70mmを加工します。
図6


 まず図6のように10mmφのドリルで穴をあけます。まっすぐ貫通させる必要がありますが、ドリルを使える環境がない場合は、後に説明する方法がよいと思います。

図7

 図7のようなスキマをつくります。のこぎりで慎重に切り取り、やすりでなめらかにします。このスキマは横木の厚みプラスアルファで、狭いと「こま」がひっかかるし、広すぎると下の横木にうまく落ちません。この製作上のキーポイントになるものです。

図8

 最後に図8のような傾きをつくります。最初につくった「こま」では、この傾きがなかったので、下の横木にひっかかることが多かった。(もちろん、スキマが少し広すぎたことも原因です)
 完成したら、角を落とし、丸みをつけておきます。とりわけスキマと傾きの接するかどは丸くしておかないと、ここで引っかかることがあります。

 10mmのドリルがない場合は、図9のように半分の厚みの材料を加工後に貼り付けるという手法がよいようです。これは参考文献2に出ていました。彫刻刀の丸刀などで丸く削り、スキマも平刀などで削ります。

図9

【参考】
(1)『からくり玩具をつくろう』鎌田道隆、安田真紀子著、河出書房新社、1998.3、3800円+税
(2)『伝承おもちゃをつくる』大賀弘章著、大月書店子どもとつくるシリーズ6、1984.6、1300円

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