ロンドン科学博物館(Science Museum)   update:2020/06/02

 ロンドンのサウスケンジントンの一角には著名な博物館が建ちならぶ。「ビクトリア・」アルバート博物館」、「大英自然史博物館」、そして「ロンドン科学博物館」である。
 1851年にロンドンで開かれた万国博覧会のあと、1857年に創設されたのが「サウスケンジントン博物館」である。この博物館の科学や技術についてのコレクションが増大したため、これを分離し1909年に創設されたのが「科学博物館」である。美術・工芸部門のコレクションは「ビクトリア・アルバート博物館」に引き継がれている。

科学博物館の建物

 博物館は地上6階、地下1階の建物である。展示は1~6階以下に、各階ごとの展示物について説明する。

★1階(Ground Floor)★

■エネルギーホール(Energy Hall)
 エネルギーホールでは、産業革命の時に活躍した蒸気機関の展示がある。

  
トレヴィシックの蒸気機関とボイラ(1805年) ボールトン=ワットの揚水用蒸気機関(1777年) ダービシャー炭鉱の大気圧式蒸気機関(1791年)

 
モーズレーの蒸気機関(1840年)        バーンレイ製鉄所の水平蒸気機関(1903年)

 
パーソンスの蒸気タービン(1891年)                    遊星歯車機構

■ジェームズ・ワットと我々の世界(James Watt and Our World)
 蒸気機関の発明者であるジェームズ・ワットの作業場が展示される。

 
バーミンガムにあったワットの作業場の複製

■宇宙の探査(Exploring Space)

 
ドイツのV2ロケットエンジン(1944年)      アメリカのRL-10ロケットエンジン(1962年)

■近代の創造(Making the Modern World)
(1)機関車

 
現存最古のSLパッフィング・ビリー号(1813年)

 
スチーブンソンのロケット号(1829年)

 
コロンバイン号(1845年)                           耕作用牽引車(1871年)

(2)工作機械
 
ポーツマスの滑車製造機械(19世紀末)

 
ロバーツの旋盤(1816年)

(3)エレクトロニクス・デバイス

  

エジソンの白熱電球(1879年)          フレミングの2極管(1904年)           ドフォレストの3極管

(4)紡績機械

 
アークライトの初期の紡績機(1769年)    アークライトの水力紡績機(1775年頃)

1階にはこの他に「Foucault’s Pendulum」「Wellcome Wing」「Pattern Pod」「Antenna」などのコーナーがある。

★2階(1st Floor)
■通信(Telecommunications)

  
5針電信機(1837年)                ベルのオズボーン型電話器(1878年)                  火花式モールス電信機

■時間の測定(Measuring Time)

 
セシウム原子時計(1955年)                        グリニッジで使われていた時刻サービスシステム(1970年)

2階にはこの他に「Challenge of Materials」「Contemporary Arts」「Agriculture」「Cosmos & Culture」「Who am I ?」などがある。
 
★3階(2nd Floor)★
■コンピューター研究(Computing)

  
バベッジの階差機関(複製1991年完成)

 
バベッジの解析機関

 
右は階差機関の一部

 
ERNIE 1(1956年:コロサス製造メンバーが製作した)         EDSACに搭載された水銀遅延線メモリ(1949年)

 
ホレリス パンチカードさん孔機                      クルタ計算器(1951年)

 
フーラー円筒式計算尺(1880年頃)                   Adixの加算器(1905年)

■数学(Mathematics)

 
古代ギリシアの作図具                           楕円を描く機械

 様々な図柄を機械的に描くことができる機械

 
Henriciの調和解析機(1894年)                      マンチェスター大学の微分解析機

3階にはこの他に「Public History:」「Energy」などがある。

★4階(3rd Floor)★
■18世紀の科学(Science in the 18th Century)

 
Rowleyの太陽儀(1712年)                         Adamsの真空ポンプ(1761年)

 
ライデン瓶(1740年代)              静電気発生装置(1770年頃)

4階にはこの他に「Launchpad」「Health Matters」「Flight」「Welcome Wing」「In Future」がある。

また、5階(4th Floor)と6階(5th Floor)には「薬の歴史」(History of Medicine)がある。地階(Basement Floor) には「The Garden」「The Secret Life of the Home」などがある。

■開館時間:10:00~18:00(入場は17:15)(学校が長期休暇の時は閉館は1時間遅くなる)
■休館日:12月24日~26日
■入館料:無料
■住所:Exhibition Road, London SW7 2DD, United Kingdom
■連絡:+44 (0)20 7942 4000
■Website: https://www.sciencemuseum.org.uk
■交通:地下鉄サウス・ケンジントン駅下車、北へ徒歩5分
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