Margie's Marvel 2024.3.1 |
S.T.Coffinの"AP-ART -A Compendium of Geometric Puzzles-"という本に出ていたパズルで、3つの立方体で構成されたピース4個を箱の中に入れろというパズルである。簡単そうに見えるが、ここに障害物が待っている。箱には半分だけ覆われるフタがあるのだ。このため箱の中に入れるのはピースのある向きだけとなり、入れるだけでも苦労する。箱の外なら難なく直方体が組めるのだが・・・。 製作は難しくないが、解法はかなり難しい。ぜひ試していただきたい。 タイトルの"Margie's Marvel"は、「マージーの驚き」というような意味だが、これは次のようなことらしい。作者のCoffinは"Box Rebellion"というこれと似たようなパズルを以前に作っており、このパズルを改良したものがこのパズルとなる。この本に載せるにあたり、解法のうちの1つであるマージーの解決策ならばより小さな箱に入れることが可能だとわかり、改良し、この名前を付けた。 図1 パズルピースと箱 ピースの製作には、立方体が12個必要である。これは東急ハンズなどで木のキューブがたくさん入ったセットがあるのでそれを使うと便利である。私は以前、製図練習で使うためのモデルを作ろうと10mm角の立方体を購入したことがあったのだが、これがひどいもので、90%が10mmに足りない辺であり、使えないのでお蔵入りしていた。今回、整理中に出てきたので、ノギスで測定し、3辺が10mm以上あるものを選び出したところ、20個ほどあった。元の集合は200近くあったので約10%である。これを3辺が10mm±0.2mm以内になるようにヤスリ等で調整し,使用した。東急ハンズのものは15mm角だが、こちらは寸法は比較的そろっている。 これを辺がずれないように直角に貼り合わせる。貼り合わせて乾燥させたあとにオイルステインを塗ったので、ピースの色が濃くなっている。 図2 ピースの寸法 このパズルは、ピースよりも箱を製作する方が難しい。以下にピースを収める箱を示す。内径には10%前後の遊びがあったほうがよい。 側板にはフタ用の溝を切る必要があるので、5mm厚のアガチス材を使用した。フタは2mm厚の透明アクリル、底板は1.5mm厚のベニヤである。フタがスライドできるように2枚の側板に溝を切る必要がある。私は刃の幅が2.5mmのノミがあったのでこれを使用したが、ルーターなどの工具がない場合は、溝の上部までの寸法でまず側板を作り、角に溝を入れる。これは角にL型に入れるので,普通の刃物で可能である。この上に3×5角の棒を接着すると溝になる。 図3 箱の寸法 図4 フタの寸法 パズルで遊ぶ際にはヨウジのような棒を用意するとよい。指が箱の中に入らないので、ヨウジでピースを動かす必要があるからである。 解答はつけていない。 悩んで精神的に不調になりそうになったら、参考にあげた本の201ページを参照されたい。そこに答えがある。 【参考】 "AP-ART -A Compendium of Geomeric Puzzles-", S.T.Coffin, 2018Edition ここからPDF版が入手できる。 |
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