update:2019/07/02

同一形状のピースで組む組木

組木の多くは、一つ一つの形状が異なるため、木材加工の授業で扱う際、形状ごとに難易度が異なるため、分担しにくく指導も難しくなってしまいます。

今回紹介する組木は、まったく同一形状のピースを組み合わせて作るものなので、難易度も同じであり、指導もしやすいという利点があります。

この組木は、アルテクルーズ・パズル(Altekruse Puzzle)と呼ばれ、William Altekruseというアメリカ人が特許(#430502,1890/06/17)をとったものが起源といわれています。

一つのピースの形状は図1の通りです。私は24×24の角材があったのでこれを使用しましたが、のみの練習などに活用したいときはもう少し大きい形状の木材の方がよいと思います。入手した材料の長さに応じて、比率から寸法を決めて下さい。

 材料の寸法比率

 

私は12本組みを製作しましたが、14本でも組むことができるとのことです。詳しくは、参考図書をご覧下さい。

製作にあたっての注意点は、ぴったりの寸法では組むことができません。両端の1単位の部分と中央の2単位の部分は1mm~2mm小さめにし、その分、溝になっている2単位の部分は広くした方がよいと思います。また、溝の部分もこころもち深めにしたほうが、組んだ時にうまく組むことができます。(私は何度も調整を繰り返しました。)

 

組む手順を以下に示します。

 

 

 

 

 

KとLのピースはEとFの間にIとJにまたがって入れなければなりませんが、このままでは入りません。しかし、A・BのブロックとG・Hのブロックはスライドするのです。A・Bブロックは下にスライドし、EとI-J間にすきまができ、KとLをそれぞれ組み入れることができます。入ったら、またA・Bのブロックを元に戻せば完成です。

 

参考書

『PUZZLE OLD&NEW パズル その全宇宙』Jerry Slocum, Jack Botermans著、芦ヶ原伸之訳、日本テレビ放送網(株)、1988.5、pp.72

(古書でしか入手できません)