デュアロック・パズル
十文字に組んだ棒をはずすというパズル。しかし何かがひっかかっていてとれない。さてどうする?
デュアロックは、日本のパズルコレクターのノブ・芦ヶ原が発明したものです。このトリックは、1910年のジョニーウォーカーのマッチ箱に初めて使用されたもので遠心力を利用したパズルトリックです。
材料は24mm角の木材を使用します。長さ144mmが2本、60mmが4本です。他に丸棒(8φ×50)が4本、ステンレス球(8φ)が4個。
各部の寸法
(1)B材の加工
最初にAの穴をあける(φ10-深さ20)
次にBの穴をあける(φ10-深さ50)。固定する時にAの穴に対し垂直であることを確認。
(2)A材の加工
最初にAの穴をあける(φ10-深さ20)
次にBの穴をあける(φ12で貫通)。
貫通させる穴だが、ドリルが抜けた側の穴がきたなくなるので次のようにするとよい。
(A)φ3くらいのドリルで下穴を空ける(貫通させる)。
(B)φ12のドリルで半分ほど(深さ10)穴をあける。
(C)ひっくり返して、残りの穴を空け、貫通させる。
(3)加工後の確認
実際に材料をあわせてみて、穴の位置がずれていないか確認する。
1mm前後のズレは大丈夫だが、それ以上のものは修正が必要である。
穴の内部にささくれなどがないように、ヤスリなどで仕上げておく。
(4)組み立て
(A)片側を組む
ステンレス球、丸棒は入れずにボンドで固定
ボンドはつけすぎず、薄くぬること。特に、穴の周りにはつけない。
接着部に輪ゴムを巻いて固定する。待つこと10分。
(B)もう一方の側も組む
今度は、ステンレス球、丸棒をセットした状態で接着します。
輪ゴムを巻いて固定してから、残った□24材を間に差し込んで、うまく入ることを確認します。ギリギリのところで入るようにします。これも待つこと10分。
(5)表面の処理
表面をしっかり磨いて仕上げましょう。ニスなどの塗料を塗ると美しくなります。
(6)遊び方
丸棒を押し込んで、組みます。その状態で少し振れば、ロックがかかりとれなくなります。
(6)はずしかた
作った人は、当然、わかりますよね。
【参考図書】
『パズルの世界 解き方・つくり方101例』J.Botermans/J.Slocum著、芦ヶ原伸之訳、日経サイエンス社、1993.11
(古書でしか入手できません)