update:2019/07/15

歯車おもちゃ

孫のおもちゃにと木製歯車を使ったおもちゃを作りました。こんなものでもけっこうスムーズに回転するので、歯車機構や伝達の学習にも使えるかもしれません。


材料は以下の通り。

歯車用:木のハガキ(東急ハンズで購入)150×100×5、種類多数あり(私はカリン200円、サクラ150円、カシ200円、ホオ100円を購入)

土台用:ホワイトポプラ合板250×150×15、 シナベニヤ250×150×4

軸用:木製丸棒5φ(長さは300以上)


【歯車を加工する】

(1)平歯車の寸法計算式は、小原歯車工業(株)のウェブページを参照しました。ここから大歯車(基準円36、歯数24)と小歯車(基準円18、歯数12)を各4個製作します。

 図1 大歯車

 

(2)図1は大歯車の図ですが、図中で黒線が歯底円(32.3)、赤線が基礎円(33.8)、青線が基準円(36.0)、緑線が歯先円(39.0)となります。歯底となる部分は歯底円に接するように5φの円を描き、穴あけして作ります。

「花子」のデータをつけておきますので、出力して使って下さい。(ソフト「花子」がない場合は、「花子ビュアー」をJUSTSYSTEMのウェブページからダウンロードして下さい。)

 

(3)プリントアウトした紙を切り抜き、木製ハガキに貼りつけます。穴あけ部分には、千枚通しなどで目打ちをしておくこと。

 図2 型紙を貼りつけ、ドリルで穴あけしたところ

 

(4)ドリルで穴あけをする。ドリルは、ウルトラ武蔵ドリル(イシハシ精工)が貫通時の割れがなくて使いやすい。(5φと5.2φを用意)回転速度は低くして使用すること。高速だとマサツ熱で木材が炭化することがあるので注意。

 

(5)歯先円に沿って1mm程度外側を糸ノコギリで切り抜く。(あとで歯先円の長さにヤスリでそろえるので大きめでよい)

 図3 糸ノコで切り抜いたところ

 

(6)黒い切り込み線に沿って、あけた穴までノコギリで切る。ノコギリは、精密加工用の薄刃ノコギリ(例えば藤原産業のSSM-6)が使いやすい。

 図4 ノコギリで穴まで切ったところ

 

(7)歯先円の線までヤスリで削り、歯先の大きさをそろえておく。

 

(8)歯車の歯は本来インボリュート曲線で形成されますが、それは望むべくもないので、できるだけそれを意識し、歯をなめらかな曲線になるよう仕上げます。

 

(9)歯車は、木材の面そのままだと回転の様子が見づらいので、面にペンキ等で図を描いておくとわかりやすい。(木の材質感も題字にしたいので、私は一面のみ図を描きました。)


【土台を作る】

(1)歯車の基準円が18と36なので、18を基準寸法とし、斜眼紙のように60度の線を描き、この交点に穴をあけるようにしました。すべての交点に穴をあけるのはたいへんなので、歯車を配置する予想をたて、その交点に穴をあけました。「花子」データを添付しますので、印刷し、穴あけ位置をポプラ合板に写しておいてください。穴の寸法は5.2φ。貫通させます。穴あけ後、バリ等をとり、5φの丸棒がなめらかに動くように確認しておくこと。

 

(2)ポプラ合板とシナベニヤをボンドで接着し、乾燥させます。

 

(3)完全に接合したら、角を丸め、ヤスリをかけておきます。

 

【歯車の組み立て】

(1)歯車の軸用に丸棒を長さ36mmに切ります。(7本用意) 20.5mmの長さの丸棒を2つ用意。端面は少し丸みをつけるようにサンドペーパーでみがいておきます。

 

(2)手回し用歯車を組み立てます。20.5mmの丸棒を手回し用の歯車(大歯車)の中心部に押し込みます。ゆるい場合はボンド等でとめます。中心から23mmほどの位置にもう一つの20.5mm丸棒を接着します。これが回すための取っ手となります。

 図5 手回し用歯車

 

(3)他の歯車は、土台の上に0.5mm程度の厚紙(10mmほどの穴をあけておく)を重ね、歯車の中心に押し込んだ丸棒が、土台の底まで到達するようにします。

 図6 軸の押し込み方

 

  図7 大・小歯車

 

【歯車の調整】

(1)手回し用の歯車を土台の穴に差し込み、スムーズに回ることを確認します。

 

(2)別の穴に大歯車を差し込み、手回し用歯車を回した時に、別の歯車がスムーズに回るかを確認します。引っかかる場合は、歯先が長すぎる、または相手の歯車の歯底が浅い、歯の形が悪いのどれかです。歯先が長すぎる場合は削り、歯底が浅い場合は丸ヤスリで歯底を削ります。歯の形が悪くて引っかかる場合は歯の形を整形します。

 

(3)この歯車は歯数が同じなので、そのままでは同じ場所しかかみ合いません。そこでスムーズに回転するようになっても安心せず、歯を1つずつずらしていって回転の様子を調べます。逆回転もしてみます。これをすべての歯車に対して行います。こうしておけば、付け替えた場合などに歯車が回らないなどということは起こりません。

 

手回し歯車以外の歯車の軸が長いのは、ひっくり返しても使えるようにしたためです。そうする必要がなければ軸長はすべて20.5mmで手回し用歯車と同じ加工法でよいです。軸を差し込む場所がたくさんあるので、いろいろ歯車を組み合わせを変えて楽しんでください。


図面用「花子」データ