ネイピアの骨
ネイピアの骨とは、かけ算をする道具です。日本の小学校では九九を暗記する教育が行われていますから、ほとんどの人はかけ算に暗記した九九を活用しています。しかし、九九を暗記していない人達にとっては、かけ算は九九の表を見ながら計算する面倒な計算でした。
ネイピアは対数を発明したことで知られていますが、こんなかけ算用の計算具を作っていました。左はドイツ博物館の展示品で、これを参考に、右は今回作成したものです。
今回は一辺15mmの木の棒(長さ150mm)から作りました。5本あれば十分だと思います。
【作り方】
(1)木材の一端15mm分を四面ともななめに切る。加工はこれだけ。
(2)木材の表面に水性ニス(透明クリア)を塗り、乾かす。文字のにじみ防止用。
(3)四面に、15mmずつの横線をいれ、横線の間に斜線を入れる。斜線は右上から左下へ。
(4)九九の答えを書いていく。一面に1つの段を書く。答えが1桁の場合は斜線の下に、2桁の場合は10の位を斜線の上に、1の位を斜線の下に書く。斜めに切ったところには九九の段数を書く。
1本で4面書けるので、次のような組み合わせがよいと思われる。(同じ数字があらわれた場合のため)
(a)0・1・2・3 (b)4・5・6・7 (c)8・9・0・4 (d)1・2・5・8 (e)3・6・7・9
(5)乗数をみるためのガイド棒をつくる。別にローマ数字である必要はない。
(6)完成。箱に入れると見栄えもよいし、使いやすい。
【計算の仕方】
たとえば、 735×42 を計算する場合は、7・3・5の棒を並べる。4の欄の数字と2の欄の数字を書き出す。斜線にそって斜めに加算する。
繰り上げがあるときは、一つ上の欄に加算する。
計算用の用紙とその使い方が ここ にあります。PDFですから、ダウンロードしてお使いください。