update:2019/07/21

リレーを使った半加算器

コンピュータのハードウェアの基礎を学ぶと、必ず出てくる半加算回路。理論は知っているけど、実際に作ってみた人はあまりいないんじゃないだろうか。最近の若い人は「リレー(継電器)」というものを知らない人がほとんどである。しかし、昔はこれを組み合わせてコンピュータを作っていたのだ。というわけでリレーの紹介も兼ねて、半加算器を作ってみました。

 

半加算回路の原理は、AとBの2つの入力に対し、下表のような関係が成立する回路です。Sは計(sum)、Cは桁上げ(carry)で、AとBの2進数の加算の結果をあらわします。つまり2進数の4通りの加算を表にしたものです。

  

これを論理式であらわすと、以下のようになります。

この論理式をリレーの接点で表すと次のようになります。

 

次にリレー(継電器)の説明をします。リレーとは、電磁石に接点をとりつけたもので、電磁石が動作すると接点が吸い付けられ、電磁石が切れると接点が離れるというのが基本原理です。リレーに電流が流れないときにつながっている接点(NC接点という:Normally Contact)と、リレーに電流が流れるとつながる接点(NO接点:Normally Open)があります。以下の図を参照してください。

ほんとうは接点が見えるプラスチックケースに入ったリレーを使いたかったのですが、入手できず、モールド製の941H-2C-5Dという動作電圧5V、2回路のものを使いました。

 

《材料》

・リレー(941H-2C-5D、5V、2回路)2個

・スイッチ(タクトスイッチ) 2個

・LED:入力は赤色、出力のSは青色、Cは緑色 計4個

・回路はユニバーサル基板(SunhayatoのICB-88)

・抵抗220Ω、1/4W 4本

 

《製作》

(1)配線図、部品配置図を示します。

 

 

 部品配置図

 

【動作の様子】

AまたはBのみを押したとき、Sが点灯。

 

AとBと両方押したとき、Cが点灯。