リレーを使った半加算器
コンピュータのハードウェアの基礎を学ぶと、必ず出てくる半加算回路。理論は知っているけど、実際に作ってみた人はあまりいないんじゃないだろうか。最近の若い人は「リレー(継電器)」というものを知らない人がほとんどである。しかし、昔はこれを組み合わせてコンピュータを作っていたのだ。というわけでリレーの紹介も兼ねて、半加算器を作ってみました。
半加算回路の原理は、AとBの2つの入力に対し、下表のような関係が成立する回路です。Sは計(sum)、Cは桁上げ(carry)で、AとBの2進数の加算の結果をあらわします。つまり2進数の4通りの加算を表にしたものです。
これを論理式であらわすと、以下のようになります。
この論理式をリレーの接点で表すと次のようになります。
次にリレー(継電器)の説明をします。リレーとは、電磁石に接点をとりつけたもので、電磁石が動作すると接点が吸い付けられ、電磁石が切れると接点が離れるというのが基本原理です。リレーに電流が流れないときにつながっている接点(NC接点という:Normally Contact)と、リレーに電流が流れるとつながる接点(NO接点:Normally Open)があります。以下の図を参照してください。
ほんとうは接点が見えるプラスチックケースに入ったリレーを使いたかったのですが、入手できず、モールド製の941H-2C-5Dという動作電圧5V、2回路のものを使いました。
《材料》
・リレー(941H-2C-5D、5V、2回路)2個
・スイッチ(タクトスイッチ) 2個
・LED:入力は赤色、出力のSは青色、Cは緑色 計4個
・回路はユニバーサル基板(SunhayatoのICB-88)
・抵抗220Ω、1/4W 4本
《製作》
(1)配線図、部品配置図を示します。
部品配置図
【動作の様子】
AまたはBのみを押したとき、Sが点灯。
AとBと両方押したとき、Cが点灯。