西宮の水道施設 |
西宮は酒造りの町として知られ、市内にいくつもの酒造会社があります。昔は、酒造りの時期になると宮水のくみ上げによって、地域の井戸が枯れるなどの事態が起こっていました。そこで近代水道施設の建設が求められ、1922(大正11)年8月より水道工事が始められ、翌年7月に一部給水を開始、1924(大正13)年6月に完成しました。このときの水道は、武庫川浄水場内の地下水を水源とし、越水浄水場へ送り、給水するものでした。
◆武庫川浄水場
水道施設創設のときの主水源で、旧瓦木村の菰池(こもいけ)に集水井を設置して、越水浄水場へ送水しました。現在は浄水処理を休止し、取水場として鳴尾浄水場に送っています。
門や塀、施設内の建物などに当時の面影を見ることができます。1936(昭和11)年のもの。
◆越水浄水場
水道施設創設のときの施設で、1923(大正12)年の第1期工事で配水池を築造し、武庫川水源地からの地下水を受け、同年7月から配水を開始しました。1924(大正13)年の第2期工事で浄水施設を設置し、水分谷と剣谷川からの水をニテコ池に貯水し、浄水処理を開始しました。
施設は1936(昭和11)年のものですが、建物などが阪神淡路大震災後の1996(平成8)年に復元されています。
◆上ヶ原浄水場
西宮市に位置しますが、神戸市水道局の管轄です。千刈貯水池からの水を浄水し、給水しています。急速ろ過池を8つもち、1917(大正6)年11月に創設されています。
環状に配置されたろ過池や上屋は塀の外からは見ることができません。