磁石のいらないクリップモーター 2025.2.8 |
生徒全員にクリップモーターを作らせたいけど、磁石がけっこう値が張る。そこで磁石を使わずに電磁石で動くクリップモーターを考えた。 ![]() 使用材料: ステープラーの針(NO.10用)4本、エナメル線(0.5φ)2mほど、針金(18番線くらい)10cm、クリップ2個、電池1、土台としてアクリル板または木の板または厚紙(5cm×10cm(厚さ2mmくらい)のものを1枚。 (1)ローター(回転子)をつくる ステープラーの針(NO.10)の2個つながったものを上下にはりあわせる。接着剤やテープで止めると扱いやすい。 ![]() ![]() ![]() ![]() エナメル線を5cmくらい余らせたところからまき始める。巻き始めが針の中心になるようにして巻く。右端に達したときに、一度巻き始めの位置が針の中心になっていることを確認し、ずれていれば中心になるように調整する。右端に達したら、同じ巻く向きのまま左端に向かって巻き、左端に達したら、中央まで戻るように巻く。 巻き終わったら、エナメル線の端を上右図のように一方に寄せておく。 ![]() ![]() 巻いたエナメル線の端が回転子の軸となるので、巻き始めと巻き終わりが針の中心から出ているようにラジオペンチなどで鋭く折り曲げること(図3参照)。エナメル線をまっすぐに伸ばし、指定の長さに切る。回転子がスムーズに回転するか、指の間に置いて回してみる。スムーズに回らないときは、中心位置やエナメル線が曲がっていないかなどを調べ、調整する。ここでスムーズに回転しないと、モーターは回らない。両端のエナメル線は、青色は被覆をすべてはがし、茶色は軸の半周分だけ被覆をはがす。被覆をはがすのは片側は半分だけにするのは、モーターの回転方向を一方向だけにするためである。これが電流を流すタイミングを決めるので、回転子のコイルの位置との関係を間違えないようにすること。 ![]() (2)ステーター(固定子)をつくる 全長9.5cmの針金に図のように印をつけ、折り曲げる。針金の中には強磁性体(磁石に吸い付かない)ものもあるので、購入時には注意すること。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 針金にエナメル線を巻いていく。エナメル線は5cmほど余らせた位置から巻いていく。巻き方向は右巻きでも左巻きでもよいが、もう一方の巻き枠棒に移る時に、巻く向きを逆にすること(こうしないと、巻き枠に発生する磁界が打ち消されてしまう)。ここでは右巻きで説明する。左側の巻き枠棒には右巻きで巻く。、先端の折り曲げ位置のところまできたら、そのまま下向きに重ねて巻く(巻く向きはずっと右巻き)。右側の巻き枠棒に移ったら、こんどは左巻きで巻く。巻き方は同じである。巻き終わったらエナメル線を5cmのところで切っておく。巻きはじめと巻き終わりのエナメル線の先端2cmくらいの被覆をはがしておく。モーターの回らない原因の1つが、このエナメル線の被覆はがしが不十分で、接触不良を起こしていることである。しっかりと被覆ははがしておこう。 (3)クリップの加工 クリップを右図のように伸ばす。クリップは(小)を使用した。クリップの大きさが異なると、伸ばした時の「足」の長さが違ってくる。大きさが異なるクリップを使用したときは、伸ばした時に、回転子の軸が乗る場所とクリップの端までの長さを測って、巻き枠の針金の曲げの寸法を変える(たとえば、長さがAならばA-2の長さで、折り曲げ寸法図の「20」の寸法を変えること)。 組み立て前にクリップにエナメル線を巻き付けておく。この巻き付けもしっかり密着して巻き付ける。接触不良の要因となる。 ![]() (4)組み立て 台となる板に0.8φのドリルで穴をあけ、ここにクリップを差し込む。クリップの先端は折り曲げない。瞬間接着剤をつけて、クリップを穴に押し込む。回転子が置かれるところが直角になるように調整してから、乾かす。ステーター(固定子)は、テープで貼り付ける。エナメル線を巻いてある部分が、クリップ間の中央にくるようにする。 ![]() ![]() (5)おわりに モーターは、回転子がバランスよくできておりスムーズに回ること、エナメル線をはがす位置を間違えないこと、エナメル線の被覆をきちんとはがし接触不良がないこと、これらがちゃんとできていれば回転する。うまく回らないときはこれらの点を調べるとよい。 また、電池が弱っていてよく回らなかったという経験もあったので、3Vにしてみるのも1つの方法である。 【参考】イルカのホームページ/科学工作(私は2003年に閲覧したが、その後このページはなくなってしまった) |
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