大垣市の産業遺産・近代建築          2024.05.05 update

 大垣市に縁ができたので、これからたびたび訪れることになりそうだ。
 少しずつではあるが、産業遺産・近代建築について紹介していきたい。

■三甲テキスタイル(株) 事務所・倉庫 (旧後藤毛織(株)大垣分工場)
 三甲テキスタイル(株)は、岐阜県大垣市に本社を構える企業で、羊毛や梳毛紡績の会社である。操業は1914(大正3)年4月、後藤毛織(株)大垣分工場の設立に始まる。以後、東京毛織(株)、合同毛織(株)、新興毛織(株)、鐘淵紡績(株)など名称を変える。三甲紡績(有)となったのは1951年のことである。現在の名称になったのは2004年4月である。
 1945年7月29日夜半に大垣市は米軍の空襲に襲われ、当時の工場など大半が破壊された。残ったのは本社とレンガ倉庫のみであった。これが今日まで保存されている。
 事務所は木造2階建、モルタル塗。 レンガ倉庫は鉄筋コンクリート造2階建外装レンガ造である。

事務所

レンガ倉庫
レンガ造の工場があるが、残ったものか?

◎所在地:大垣市室村町3-74-1


■養老鉄道 村内架道橋
 養老鉄道は1911(明治44)年に創業し、翌1913(大正2)年7月に養老~大垣~池野間が開通した。
 開通時の1913年に建造されたと思われる煉瓦造の架道橋が残る。南側が煉瓦積み(イギリス積み)で、JRの線路部分は南側が石積み、北側がコンクリート造である。北側入口に銘板があり、コンクリート部分建造は1955(昭和30)年3月とあった。長さはおよそ50m、幅は2mほど。自転車や人が通行している。

 南側入口

 

 北側入口

◎所在地:大垣市見取町3丁目/2丁目

 なお、この地点より西側にある国道18号線と養老鉄道がクロスする鉄道橋梁の西側土台は、現在は白く塗られているが、煉瓦で作られていると思われる。そうであればこれも同時期の建造ではないだろうか。橋梁の名称は不明。



◎所在地:大垣市室村町4丁目/室本町1丁目

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