オランダ堰堤 |
オランダ堰堤 デレーケの銅像 土木学会選奨土木遺産の碑
かつてこの付近は檜の美林であったが、奈良・平安時代に寺院・仏閣の造営のため大量の木材が切りだされ、はげ山となった。そのため雨が降ると洪水が起こり、下流の村は大きな被害を受けた。
1873年(明治6年)、政府は「淀川水源砂防法」を制定し、オランダから砂防工事技術者ヨハネス・デ・レーケ(Johannis de Rijke)を招き、淀川水系の砂防工事を開始した。
「オランダ堰堤」は、1889年(明治22年)にデレーケの指導の下に作られた割石積み堰堤で、日本最古のものといわれる。
「水裏」(下流側)の放水路面がアーチ型になっており中央部に水が集まり両袖部が削られにくい構造であることや、堰堤下流面を階段積み(鎧積み)にすることで流水が階段面にあたって衝撃を和らげるので水叩き部の洗掘を防止する構造であることなどから現在でも機能を発揮しているといわれる。
掲示板にある堰堤の説明図 上から見た堰堤 階段積み
JR草津駅よりバスに乗り、終点の「上桐生」で下車する。道をそのまままっすぐ行くと、すぐキャンプ場だ。キャンプ場を右に見ながら道をそのまま進むと、川を遮るような道となる。左側がめざす「オランダ堰堤」だ。歩き始めて10分もかからない。堰堤を過ぎても美しい渓流は続く。ハイキングコースになっているので、ハイキングのついでに立ち寄るとよい。また、付近はキャンプ場として整備されているので、キャンプにもよい。
道を進むと三叉路にでる。右にいくと「逆さ観音」という石仏がある。説明によれば、もともとは普通の向きだったそうだが、堰堤の積み石のために一部削り取られたため、バランスがくずれ転げて逆転したのだそうな。
逆さ観音 付近の地図の掲示板
地図の「現在地」の左端がバスの停留所「上桐生」である。(2)が「オランダ堰堤」、(5)が「逆さ観音」である。