小樽市総合博物館
Updated on 2014.09.06

 小樽市総合博物館の前身は、1963年に国鉄が鉄道開業90周年記念事業の一環として開設した「北海道鉄道記念館」である。記念館は1996年に「小樽交通記念館」となり、その後、2007年7月に、小樽市博物館、小樽市青少年科学技術館と統合し、小樽市総合博物館となった。博物館は、小樽市交通記念館の施設を活用している。この施設は、北海道初の鉄道である旧手宮線・手宮駅の敷地で、各種の鉄道記念物がある。
 博物館は、本館の鉄道・科学・歴史館と蒸気機関車資料館、自動車展示館、屋外車両展示、機関庫などから成る。
 博物館の門をくぐると、中庭には北海道の鉄道建設に尽力した米人技師クロフォードの像が来場者を迎える。館内に入ると、蒸気機関車「しづか号」が目を引く。「しづか号」は1884年米製機関車で、1885年手宮に配置された。1Fの鉄道展示室には、北海道の鉄道の歴史、幌内鉄道に関する資料展示もある。2Fは青少年科学技術館の機能を持たせた施設となっている。
 屋外の車両展示では、北海道で使われた車両が並ぶ。車両毎にメンテナンスの費用を援助した企業名が表示されているのはユニークである。屋外施設のうち、機関車庫、転車台、危険品庫、貯水槽は国の重要文化財に指定されたものである。構内の線路には1909年製米製機関車「アイアンホース号」が現役で走る。転車台で回転する姿は圧巻である。


クロフォード像 

 しづか号(1884年製造)

国指定重要文化財 旧手宮鉄道施設 平成13年11月14日指定
転車台
 大正8(1919)年横河橋梁製作所製造。現存している転車台本体は、長さ18.8m、幅3.8m。機関車の方向を変えるための装置で、旧手宮駅構内では昭和49(19
74)年3月まで貨車入換え作業に蒸気機関車が使用されており、この転車台が使われていました。現在も転車台は整備され、使用されています。
小樽市教育委員会 

 転車台(これも動態保存)

転車台の稼動部(円形レールをつまんでピストンで引く)

国指定重要文化財 旧手宮鉄道施設 平成13年11月14日指定
機関車庫一号
 明治41(1908)年頃の建築。壁面レンガはイギリス積みです。当時、増え続ける輸送量に対応するため設けられた機関車庫で、建築当初は5線分の間口でしたが昭和初期に数が減らされ、現存するのは東側の2線部分のみです。他の3線部分は平成8(1996)年に復元されました。
小樽市教育委員会 

 機関車庫1号

国指定重要文化財 旧手宮鉄道施設 平成13年11月14日指定
機関車庫三号
 明治18(1885)年建築。現存するわが国最古の機関車庫。設計者は、後に北海道庁旧本庁舎を設計した平井晴二郎です。壁面レンガをフランス積みとし、室内は間仕切り壁で東側と西側に区分しています。西側の室内は中央に石造八角形の柱を建て、小屋梁を架けています。東側の室内は機関車を吊り下げて修繕できる構造とするために壁の厚みを増し、小屋組を補強したといわれています。
小樽市教育委員会 

 機関車庫3号

 機関車庫3号内部

国指定重要文化財 旧手宮鉄道施設 平成13年11月14日指定
危険品庫
 明治31(1898)年頃に建造された石積みの倉庫。機械や照明などに使われる油類を保管するために使われていたと考えられています。明治13年、手宮駅を起点に開通した幌内鉄道はその後、明治22年から39年まで北海道炭礦鉄道株式会社(北炭)が経営しました。この建物は現存する北炭時代のものとしても貴重です。
小樽市教育委員会
 

危険品庫


 アイアンホース号

 7150大勝号(1895)鉄道記念物

本道鐵道ノ創業ハ明治ノ草創開拓使ノ企図ニ成リ石炭輸送ノ目的ニ併セテ将来全道ニ敷設セラルヘキ鐵道ニ連絡セシムル計画ノ下ニ起工セラレ明治十三年十一月十八日此ノ地ヲ起点トシテ手宮軽川間ノ開通ヲ見ルニ至ル是レ實ニ本道鐵道ノ創始ニシテ開拓ノ業亦之ニ拠リテ大イニ興ル所トナレリ
茲ニ近藤仙太郎氏カ記念碍ヲ建立シテ寄贈ス乃チ本日除幕ノ式ヲ行ヒ偉業ノ跡ヲ永ク傳ヘンコトヲ庶フ
昭和十七年十二月十二日
札幌鐵道局長 濱野信一郎撰
札幌鐵道局総務部文書課長 赤木渉書 

北海道鐵道開通起点の碑〜碑に書かれている文書を上に掲げた。本文は縦書き、旧字は改めてある


キハ03 1(ディーゼル動車:1956、準鉄道記念物)

キ800(除雪車:1928)、準鉄道記念物

キ601(除雪車:1923)、準鉄道記念物

キ718(除雪車:1959)

 

■開館:9:30〜17:00

■休館日:毎週火曜日(祝日の場合は翌日)
       年末年始(12/29〜1/3)
■入館料:一般400円(夏期)300円(冬期)
       高校生200円(夏期)150円(冬期)
       中学生以下は無料
       運河館との共通券:一般500円、高校生250円

■所在地:〒047-0041北海道小樽市手宮1-3-6

■連絡:TEL0134-33-2523 FAX0134-33-2678

■交通:JR小樽駅下車、中央バス市内本線(2)または(10)にて「総合博物館」下車、徒歩3分

■Web:http://www.city.otaru.lg.jp/simin/sisetu/museum/


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