Slot Machine Puzzle    2024.3.22

 S.T.Coffinの"AP-ART -A Compendium of Geometric Puzzles-"という本に出ていたパズルで、立方体を4ユニットまたは3ユニットで貼り合わせたピース7つを箱の中に入れろというパズルである。但し、箱はフタで覆われており、ピースを出し入れできるのは1×2の大きさの「窓」からしかできない。このため箱の中に入れるのはピースのある向きだけとなり、入れるだけでも苦労する。箱の中ではピースを回転できる場合とできない場合があるのでけっこう難しい。

 
図1 箱とパズルピース

 ピースの製作には、立方体が27個必要である。これは東急ハンズで木のキューブがたくさん入ったセットがあったのでそれを使用した。20mmの立方体が50個入っている。材料はアガチス材で、720円であった。辺を測定してみるとかなり正確にカットされており、そのままでも問題なく使用できた。貼り合わせ、接着剤が乾いたら、ヤスリをかけておく。箱の外であれば立方体に組むことは比較的簡単である。

図2 ピースの寸法

  このパズルは、ピースよりも箱を製作する方が難しい。以下にピースを収める箱を示す。内径には10%前後の遊びがあったほうがよい。私は2mmの遊びとした。側板にはフタ用の溝を切る必要があるので、5mm厚のアガチス材を使用した。フタは2mm厚の透明アクリル、底板は1.5mm厚のベニヤである。フタが収まるように2枚の側板に溝を切る必要がある。私は刃の幅が2.5mmのノミがあったのでこれを使用したが、ルーターなどの工具がない場合は、溝の上部までの寸法でまず側板を作り、角に溝を入れる。これは角にL型に入れるので,普通の刃物で可能である。この上に6×5角の棒を接着すると溝になる。

  
図3 箱の寸法(1)

図4 箱の寸法(2)

図5 箱の材料を加工したところ

 箱の外で組んだものをそのまま箱の中に移そうと考えたが、ピースを回転する必要があり、どうしてもできない。箱の中では、2ユニット分の向きならばピースを回転させることは可能だが、3ユニット分は回転させられないため行き詰まってしまった。現在、方法を思案中である。したがって解答はないので、見つけてほしい。ネットで解答をさがしてみたが見つけられなかった。もちろん、参考にした本にも出ていない。

【参考】
"AP-ART -A Compendium of Geomeric Puzzles-", S.T.Coffin, 2018Edition
 ここからPDF版が入手できる。

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