琵琶湖疏水 几号水準点
Updated on 2019.7.8


小関峠の道路から南側斜面に上る細い道があり、ここを上っていくと送電線の鉄塔がある。鉄塔に隣接して「几号水準点」を刻んだ石がある。この水準点は琵琶湖疏水の最大の難関であった長等山にトンネルを掘るにあたり、測量を行った基準点である。
 

几号(きごう)水準点とは、明治初期に高低測量を行うために設けた基準点で、イギリス式の測量法に従い、漢字の「不」に似た記号を石等に刻印し、水準点としたものである。しかし、1884(明治17)年に陸軍の陸地測量部がドイツ式の測量方式を採用したため、この方式は使われなくなった。

琵琶湖疏水の第1トンネル(長等山トンネル)の測量図は1891(明治24)年作成であるから、測量士の島田道生がイギリス式測量術を学んで、この地に基準点を置いたと十分考えられる。


 


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