日本水準原点標庫 |
国土地理院の「日本水準原点について」の碑
日本水準原点
国会議事堂正門前の国会前庭北地区洋式庭園(尾崎記念公園)の一角にあり、日本の高さの原点として、あらゆる標高測量の基準となっています。「測量法施行令」第2条の2に次のような記述があります。
2 法第十一条第一項第四号
に規定する日本水準原点の地点及び原点数値は、次のとおりとする。
一
地点 東京都千代田区永田町一丁目一番地内水準点標石の水晶板の零分画線の中点
二 原点数値 東京湾平均海面上二十四・四一四〇メートル
これは1873(明治6)年6月から1879(明治12)年12月までの東京湾(隅田川河口の)霊岸島で測定した観潮結果を基準として東京湾の平均海面を0メートルとして決めたもので、当初は24.5000メートルになるように建設されましたが、1923(大正12)年9月1日に起こった関東大震災による地殻沈下のために現在の値に変更されました。
水準点が納められた日本水準原点標庫も、第2次世界大戦の戦災を免れ健在で、その建物に固定された水準標石の水晶板の零分画線の中点が水準原点となっているそうです。原点の礎石は地下10mあまりの堅固な地層から築いてあるとのことです。
日本水準原点標庫
日本水準原点を保護するための建物は、1891(明治24)年5月に佐立七次郎氏の設計による近代風建築で、佐立氏設計の中では現存する最古の建物です。
石造・平屋建 建築面積14.93u 軒高3.75m 最高高4.3m
現在、東京都指定有形文化財(建造物)に指定されています。
佐立七次郎(さたち しちじろう)は、讃岐(香川県)出身の建築家で、1877(明治10)年に日本政府に招かれ、工部大学校(現・東京大学)造家学科の教授として来日した英国の若き建築家ジョサイア・コンドルの教えを受けた四人の弟子(辰野金吾、曾禰達蔵、片山東熊、佐立七次郎)のうちの一人。
◆所在地:東京都千代田区永田町1−1国会前庭北地区様式庭園(尾崎記念公園) ◆交通:地下鉄丸の内線「国会議事堂前駅」下車徒歩3分 |