烏山頭水庫   update:2017/03/20

 日本統治下、嘉南平野の灌漑問題を解決するために、日本政府は嘉南水路と烏山頭ダムの建造を決定し、場所を台南県官田・六甲・大内・東山等4郷とした。元々利用可能な水源がないので、楠西郷の八田與一は水門を建設、烏山嶺に1本の水路を建設し、曽文渓の水を引き入れた。また宮田郷烏山頭の地に水をせき止める堤を築いた。完成した嘉南の大水路「官田渓貯水池」は烏山頭水庫の前身である。
 烏山頭水庫は1920年1月に工事が始まり、半水填式という施工法を採用し、10年もの月日をかけ、1930年5月に工事が完成し畜水が始まった。
 烏山頭水庫の機能は、南幹線幅4.5m、推進2m、最大流量毎秒20.5t、総延長10kmであり、3つの水路橋、6本の給水支線、46本の分線、35本の排水路、4つの防潮堤防、8つの自動排水門を持つ。
(現地の説明板を筆者が訳出)

 訪問当日はあいにくの雨だったため、公園のすべての見学は断念した。とにかく広い! 徒歩ですべてを回るとしたら1日かかると思われる。ほとんどの参観者は自家用車で来ていた。日本からのツアーの人達もマイクロバスであった。公園内にはキャンプ場やバーベキュー場もあり、春~秋はアウトドア派の人達で混雑するのではないかと思われる。
 もらったパンフレットでは、八田與一記念公園に当時の住居が再現されているとあり、入口からすぐのように書かれているが、実態はバス停1つ分はゆうに離れていて、私は疲労でいくことができなかった。

入口

八田與一像

旧放水口

 放水口付近

放水口建物内部

殉工碑

 機関車

 ダム建設時、蒸気機関車は用材を運搬するための重要な輸送手段でした。ダムと隆田の間にはナローゲージの鉄道が敷設され、ダムから約20キロ離れた大内の石仔瀬にある曽文渓の川底から、小石や土砂。年度が混じった土壌を運んでいました。これは総延長1237メートルの堰堤を建設するための資材として用いられました。また、蒸気機関車は旅客や学生・作業員の交通手段としても利用されていました。
 ここに陳列された機関車はベルギー製で、1920年から1930年まで使用されました。最大寸法(ミリメートル)は、、長さ6260×高さ2882、重量12.5トン、水槽容量1.5立方メートル、石炭容量0.7立方メートル、動輪直径726ミリメートル、牽引距離2856キロ、牽引重量218トン、運行速度は時速19-25キロとなっていました。
(現地の説明板(日本語)より)

烏山頭水庫分岐閘門扉

ダム堰堤

ダム頂上部(左が水面)

ダム水面をのぞむ

 堰堤頂部は海抜66.66m、長さ1273m、高さ56m、堰堤頂部の幅9m、底部の幅303mである。「八田式セミ・ハイドロリックフィル工法」によるダムである。

★烏山頭水庫
■所在地:中華民国台南市官田区嘉南里68-2号
■連絡:Tel:+886-6-6982103、Fax:+886ー6ー6985204
■交通:
 台鉄「善化」駅から橘4バスで「烏山頭水庫」
 台鉄「隆田」駅から橘10バスで「烏山頭水庫」
 台鉄「林鳳営」駅から黄1バスで「烏山頭水庫」
 台鉄「新営」駅から台湾好行バス66で「烏山頭水庫」
(バスは本数が少ないので、「大台南公車」のHPを見ること)
■参観:9:00~17:30(月曜休日)
■入場料:NT$200
■Web:http://www.chianan.gov.tw/wusanto/

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