静岡大学高柳記念未来技術創造館   update:2018/02/05

建物外観

 静岡大学高柳記念未来技術創造館は、高柳健次郎氏の「偉業を偲びテレビジョン発祥の地を記念する」施設として1961(昭和36)年9月に設立された高柳記念館を2007年11月にリニューアルさせたものである。

 「日本のテレビジョンの父」と称される高柳健次郎は、1924(大正13)年5月に浜松高等工業学校に赴任、ここで全電子式テレビジョン技術の研究を始めた。当時、世界では機械式テレビジョン技術が研究されていたが、高柳氏が全電子式を目標に研究を開始したのは慧眼であった。しかし、受像用ブラウン管の開発には成功したものの、撮像用電子管を開発することができず、やむをえず撮像側はニポー円板による機械式とし、受像側をブラウン管とするシステムを開発し、1926(大正15)年12月、「イ」の文字を表示することに成功した。当時の画像の走査線は40本であった。撮像側の電子化が可能となったのは1933(昭和8)年10月にツウォリキン(V.K.Zworykin)によるアイノスコープの発明による。
 高柳は、その後もテレビジョン研究をすすめ、1937(昭和12)年はNHK技術研究所に出向、戦後は日本ビクターに移っている。

 館内は、高柳氏の業績を展示するコーナー、古いテレビジョン受像機を展示するコーナー、企業のコーナー、大学のコーナーがある。
 高柳氏のコーナーでは、初期のテレビジョン関連の資料や写真が展示されている。ブラウン管や撮像管もあるが当時のものではないようだ。
 古いテレビジョン受像機を展示しているコーナーは長野県上田市在住の藤岡清登氏のコレクションが寄贈されたものである。珍しい初期のアメリカ製の受像機もある。
 企業コーナーには、スーパーカミオカンデで使用された光電子増倍管が展示されている。

銅像 

1935年に高柳氏が使用したブラウン管

初期のブラウン管

アイノスコープ

ニポー円板の体験模型

白黒7インチテレビ(RCAビクター製、1946)

白黒3インチテレビ(Pilot TV-37、1947)

白黒12インチテレビ(Philco 50T1403、1950)
スーパーカミオカンデに使われた20インチ光電子増倍管 

■開館時間: 10:00~16:00
■休館日: 月曜日(祝日のときは翌日)、年末年始、大学が定める日
■入館料: 無料(入口の守衛室に申し出ること)
■交通: JR浜松駅よりバスターミナル15、16番から発車するバスに乗車、「静岡大学前」下車(約15分)
■住所: 静岡市中区城北3-5-1 電話/FAX:053-478-1402、 メール: tmh@ipc.shizuoka.ac.jp
■Web: http://www.nvrc.rie.shizuoka.ac.jp/takayanagi
 

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