八幡製鐵所炭滓線

 製鉄過程で出る鉱滓や石炭の燃え殻、溶銑の輸送のため八幡〜戸畑間に鉄道が敷設された。これを炭滓線といい、1930(昭和5)年に開通した。この炭滓線が通る宮田山トンネル(長さ1180m)の出入口のデザインがすばらしい。八幡側はルネサンス風、戸畑側はローマ風の凝った作りとなっている。このデザインが琵琶湖疏水長等山トンネル東口、日岡山トンネル東口のデザインによく似ているという指摘もある。

炭滓線 DSCF0046.JPG (375801 バイト)宮田山トンネル八幡側

 宮田山トンネル戸畑側

 県道50号線をまたぐ枝光橋は当時たいへん珍しいタイド・アーチという構造で建造された。鋼材をリベットで接合し、両端部をタイで結ぶ構造である。現在はLNGパイプラインの架台として使用されている。

DSCF0050.JPG (363253 バイト)枝光橋(タイド・アーチ橋)

 宮田山トンネル戸畑側の近くに炭滓線に電気を供給する変電所施設がある。福柳木変電室の看板が掲げられており、「運転開始昭和二十■(読めず)年十月」の文字が読み取れる。
 外観
道路をまたぐ送電架線

【宮田山トンネル八幡側】
◆所在地:北九州市八幡東区枝光3丁目
◆交通:JR鹿児島本線「枝光駅」下車、南へ数分で「枝光橋」、橋に沿って東へ行くと5分ほどで「宮田山トンネル」

【宮田山トンネル戸畑側+福柳木変電室】
◆所在地:北九州市戸畑区西大谷1丁目
◆交通:JR小倉駅下車、西鉄バス7または92系統にて「福柳木(ふくりゅうぎ)」下車(15分:310円)、徒歩5分

【枝光橋】
◆所在地:北九州市八幡東区枝光2丁目
◆交通:JR鹿児島本線「枝光駅」下車、南へ数分

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