清水港テルファー(木材積込用クレーン)          日本の産業遺産
《HOME》                                         Update: 2016/08/14


 テルファー(Telpher)とは、貨物などを運搬する空中ケーブルカーを指す。
 清水港では、富士の製糸産業の材料として木材の取扱いが行われた。陸揚げされた木材は、コンベアで貨車に積まれ、国鉄清水港駅から運ばれた。現在、清水マリンパークにあるテルファーは、1928(昭和3)年に、木材荷役の効率化のために導入された最新式のクレーンであった。鉄骨造、高さ11m、総延長110m、幅9mで、上部のレールの下を操縦室付の電動捲揚装置が走行する。1970(昭和45)年にガントリークレーンが稼働するようになると、テルファークレーンはその役割を終えた。
 クレーン中央部に立てられている説明板には以下のように書かれている。
テルファークレーン(木材積込用クレーン)
 このクレーンは、昭和3年国鉄清水港線清水港駅に木材を貨物に積み込む荷役機械として作られました。
 当時の我が国には神戸、名古屋にしかない最新式のクレーンで、従前はベルトコンベアーで一日かけて1貨物車に積み込んで いたものが、わずか48分ですむようになり、費用も3分の1になりました。
 その後、木材や石炭の荷役機械として活躍しましたが、時代とともにその用途もなくなり神戸や名古屋では撤去。清水港でも 、昭和46年に使用停止になりました。
 しかし清水港発展の歴史をとどめる遺産として、また日本近代化産業の移行としてたいへん価値のあるものであることから、 平成10年に補修工事が行われ、当公園のシンボルとして保存されることになりました。

 

 捲揚機部

 

◆清水テルファー
 ・住所:静岡県静岡市清水区新港町7ー7
 ・交通:JR「清水駅」より静鉄バス「三保方面行き」で、「波止場フェルケール博物館」
     または「エスパルスドリームプラザ」行き無料バスで。
 

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