友ヶ島の砲台群

 和歌山と淡路島の間の紀淡海峡には、京阪神を外敵から守るために、強固な軍事施設が明治20〜30年代に築かれた。和歌山側には「加太(かだ)砲台」、「田倉崎砲台」、深山(みやま)第一・第二砲台」が築かれ、淡路島には「生石山(おいしやま)砲台」、「成山(なるやま)第一・第二砲台」が築かれた。
 海峡の中央に位置する友ヶ島には、5つの砲台が築かれた。

 友ヶ島に渡るには、友ヶ島乗船場から出る友ヶ島汽船に乗船する。島にはキャンプ施設があるため、夏場はキャンプや海水浴客がほとんどである。乗船して20分ほどで友ヶ島に到着する。乗船場にパンフレットが置かれているので、ぜひとも入手しておくことをお勧めする。島の地図を準備していったが、このパンフレットだけで事足りた。時間の都合上、島の西側にある施設しか訪れることができなかった。第4砲台跡や虎島砲台跡まで足を伸ばすなら、朝一番9時発の汽船に乗船する必要があるだろう。私は11時の船で上陸し、第二砲台跡→友ヶ島灯台→第一砲台跡→海軍聴音所→第三砲台跡→第五砲台跡を訪れた。休憩なしで約2時間半の行程だった。中でも第三砲台跡は一番大きく、説明板が置かれている。島内の道は舗装こそされていないが、きちんと整備されており歩きやすい。道標も整備されており、迷うこともない。

友ヶ島 友ヶ島汽船

 桟橋近くにある砲弾

 第2砲台跡

 第2砲台跡

  友ヶ島灯台

第1砲台跡

 海軍聴音所跡

 海軍聴音所跡

 第3砲台跡

 第3砲台跡

  第3砲台跡

 第3砲台跡

 第3砲台跡

第3砲台跡の入り口に掲示されている土木学会選奨土木遺産の説明板

 友ヶ島砲台群(ともがしまほうだいぐん)
 友ヶ島砲台群は「フランス式布陣の5箇所の砲台からなり、発電施設など明治20年代当時の多方面の最
先端科学技術の粋を結集し、それを今に伝える貴重な文化財。弾丸、弾薬庫を含めた大半の施設は地下
化されている。周辺の深山(みやま)、加太(かだ)砲台(ともに明治30年代建造)とともに由良要塞
を構成している。日清戦争以前の明治期日本の四砲台(東京・対馬・下関・由良)の一つであり大阪城
、姫路城、五稜郭などと同じく専守防衛の施設である。」
 「先人の偉大な発想・技術・努力」や綿々と続けられてきた維持、管理に敬意を表して、その意義や
すばらしさを多くの人々に伝えることを目的として、友ヶ島にある5カ所の砲台が土木学会選奨土木遺産
に認定されました。これは、2000以上の全国の近代土木遺産のリストのなかから、選奨して顕彰された
ものです。


 第5砲台跡

 第5砲台跡


◆所在地:和歌山県和歌山市深山

◆交通:南海電車加太線「加太駅」下車、徒歩15分で友ヶ島乗船場へ
     友ヶ島汽船に乗車、約20分にて友ヶ島
      
     友ヶ島汽船:往復乗船料、大人2000円、小人1000円
             GW・夏期時刻=9時、10時、11時、13時、14時、15時、16時
              3月〜11月時刻=9時、11時、13時、16時
(火曜・水曜運休)
             (友ヶ島からの帰りは上記時刻の30分後出発)
             
ただし、時期により、欠航の便があるので、乗車時に注意
◆連絡:友ヶ島汽船 電話073-459-1333
     和歌山市観光課 電話073-435-1234

◆Web:加太観光協会http://www.kada.jp/

友ヶ島西部地図

【おまけ】

 加太の街中に古い建造物をいくつか見つけたので、紹介したい。

 
乗船場への途中で見つけた煉瓦造りの倉庫

 
旧加太警察署の建物(大正初期の建造)

 加太幼稚園の近くで見つけた煉瓦造りの建物

加太駅舎


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