建物外観 玄関ホールにある「環状織機」
産業技術記念館は、トヨタグループ13社の共同事業として、豊田佐吉が自動織機の研究開発のために建設した工場の建物を利用して作られています。一般公開は1994年6月11日、豊田佐吉の長男喜一郎の生誕百周年に行われました。記念館は、「繊維機械館」「自動車館」「テクノランド」から構成されています。
「繊維機械館」は、柱の林立する旧紡績工場を利用して、繊維機械技術の変遷と機械産業の基盤技術の変遷がわかるように展示されています。「糸を紡ぐ技術」や「織物を織る技術」、そして精紡機、力織機と続きます。サクソニー紡車やジェニー紡車、ミュール精紡機などの再現模型が光ります。紡機や織機の技術的な変遷が実物でたどれるようになっています。もちろん、最新式の機械もあります。
ジェニー紡績機 ウォータフレーム精紡機
アークライトのカード ミュール精紡機
ガラ紡機 自動ミュール精紡機
リング精紡機 豊田リング精紡機(RF型)
豊田粗紡機(FS型) 粗紡機
無停止杼替式豊田自動織機 豊田式木製人力織機
練条機 ジャガード機構
「自動車館」は、トヨタ自動車の創業期から現在にいたるまでの自動車の構成部品や生産技術、組立技術の変遷を展示しています。代表的なトヨタ自動車の展示もされていますし、現在のオートメーション工場の様子が動態展示されているのも、すばらしいものです。
A型エンジン(1935:トヨタ初のエンジン) S型エンジン(1947) U型エンジン(1961)
M-E型エンジン(1973:初の電子制御燃料噴射装置付) ロータリーエンジン(1971:独NSU社と提携、試作品) D型エンジン(1957:トヨタ初のディーゼルエンジン)
ブリネル硬さ試験機 ビッカース硬さ試験機 アムスラー万能材料試験機 ねじり試験機
倣い型彫盤(1965:シンシナチ社) 600トン大型プレス(ダンリー社) タレット旋盤(1936:ワーナー&スウェージ社)
FB12自動多刃旋盤(1954) 立フライス盤(1938:アルフレッドハーバード社) 横フライス盤(1941:トヨタ社)
横フライス盤(1938:K&T社) 直立ボール盤(1937:トヨタ社) 歯切盤NO.22型(1938:グリーソン社)
円筒研削盤(1938:カールウンゲル社) 球形工具研削盤(1938:トヨタ社)
「テクノランド」は、力の伝達、力の作用、力の変化、エレクトロニクスと制御・構造といった機械の原理や機構をゲームなどによって遊びながら体験できるコーナーです。「超大型てこ」「人力ふみ車」「早まわし競争」「メカブロック」「機構のサンプルボックス」「パスカルの力比べ」「エアーコースター」「風に向かって立て」「ばねのふしぎ」「樹氷を作ろう」「手回し発電」「水スターリングエンジン」「センサー迷路」「構造体ワークショップ」などがあります。
人力ふみ車 水スターリングエンジン 指南車
記念館では、いくつかの機械の実演が行われています。繊維機械館では、「G型自動織機の集団運転」(11:00〜、14:45〜)、「豊田エアジェットルーム(ドビー付)」(11:45〜、15:30〜)、「全自動紡績システム」(10:30〜、15:00〜)、「豊田エアジェットルーム(ジャカード付)」(10:15〜、14:00〜)。金属加工技術の実演として、「鋳造」(11:30〜、15:15〜)、「鍛造」(10:45〜、14:30〜)、「切削」(10:00〜、13:45〜)。自動車館では、「ダンリー600トンプレス」(10:30〜、13:00〜、15:00〜)、「エリー2500トンプレス」(11:30〜、14:00〜、16:00〜)となっています。
売店で販売されている展示説明書(1000円)は、ぜひ購入されるようお勧めします。
◆開館時間:9:30〜17:00
◆休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始 ◆入館料:大人500円、中高生300円、小学生200円 ◆交通機関:名鉄「栄生」駅下車 徒歩3分 地下鉄「亀島」駅下車 徒歩10分 ◆問い合わせ先:〒451-0051名古屋市西区則武新町4−1−35 (052)551−6115 |