碓氷峠鉄道文化むらとJR信越本線碓氷峠の施設

★碓氷峠鉄道文化むら

 「碓氷峠鉄道文化むら」は、横川駅のすぐ近くにある鉄道広場で、1999(平成11)年4月18日にオープンした。施設は、JR横川駅の旧信越本線の施設を活用してつくられたもので、駅の引き込み線がそのまま「文化むら」に続いている。園内にはたくさんの車両が展示されており、アプト式電気機関車ED42など貴重なものも数多い。さらに展示館は、1997(平成9)年まで使われていた検修車庫を改修なしに公開しており、JRの検修の一端を見ることができる。また、鉄道シミュレータやファミリー列車、ミニSL、手こぎトロッコなど乗車できる乗り物もある。その中でも人気なのは、「あぷとくん」というイギリス製のSLが園内800mを走行するものや、旧信越本線を走るトロッコ列車「シェルパくん」、ほんものの電気機関車EF63を運転できる運転体験コースなどであろう。鉄道資料館には、碓氷峠の鉄道の歴史的資料が展示されており、当時の様子を知ることができる。資料館の1階には、HO模型運転体験コーナーがある。子ども連れでも楽しく遊べ、また勉強できる場となっている。

P1020361.JPG (460250 バイト)ラックレール  P1020362.JPG (459154 バイト)機関車の歯車

P1020368.JPG (491107 バイト)箱ジャッキ P1020379.JPG (492883 バイト)超音波探傷機

P1020370.JPG (467760 バイト) P1020372.JPG (482241 バイト)リフティングジャッキと操作盤

P1020374.JPG (471042 バイト) P1020375.JPG (456195 バイト)アプト式電気機関車ED42

P1020363.JPG (456165 バイト)横川駅から続く線路 

P1020357.JPG (443173 バイト)園内にある「刻苦七十年」の碑(昭和38年、アプト式終焉の年に建設される)

P1020387.JPG (490575 バイト)鉄道資料館 P1020393.JPG (423670 バイト)66.7‰の標識

★アプトの道遊歩道に沿って

 この「鉄道文化むら」から、旧信越本線の片方の線路を遊歩道に整備し、第三橋梁(通称めがね橋)まで歩くことができる「アプトの道遊歩道」というコースがある。片道4.7kmのコースである。今回は、この道を歩いて第三橋梁まで行き、その後、国道18号線にそって歩き、軽井沢に出た。この道については、わかりやすい地図がここにあるので参照されたい。なお、横川〜熊ノ平間にはバスの運行があり、第三橋梁の下に停留所があるが、本数が少ないためあてにしないほうがよい。横川〜軽井沢間には国道18号線を走る1〜2時間に1本のバスがあるが、途中停車しない。

P1020396.JPG (459408 バイト)アプトの道の起点 P1020400.JPG (465202 バイト)片側の線路が歩道になっている

P1020401.JPG (461974 バイト) P1020403.JPG (461288 バイト)旧丸山変電所

P1020402.JPG (501880 バイト) P1020404.JPG (461468 バイト)旧丸山変電所

丸山変電所は、1912(明治45)年、信越本線の電化に伴い建設された。電気機関車に電気を供給する役割であった。
しかし、1963(昭和38)年、新線の開通によりその役割を終えた。

P1020419.JPG (441447 バイト)第一号隧道 P1020421.JPG (485567 バイト)トンネル内の待避孔

P1020422.JPG (456213 バイト)第二号橋梁 P1020423.JPG (445514 バイト)第二号隧道

P1020424.JPG (449154 バイト)碓氷湖 P1020425.JPG (447505 バイト)第三号隧道

P1020426.JPG (451819 バイト)第四号隧道 P1020427.JPG (455716 バイト)第五号隧道

P1020429.JPG (456260 バイト) P1020432.JPG (460537 バイト)第三号橋梁と欄干

P1020441.JPG (462003 バイト) P1020440.JPG (444675 バイト)国道18号線から見た第三号橋梁

第三号橋梁は、明治25年12月に竣工した。設計技師は、イギリス人パゥネルと古川晴一である。橋梁は87.7mで、約200万個の煉瓦が使われたとある。

P1020433.JPG (455159 バイト) P1020438.JPG (456176 バイト)第六号隧道(アプトの道の終点)

★国道18号線に沿って

 群馬県松井田町と長野県軽井沢町を結ぶ国道18号線は、カーブが多く、184のカーブがある。その1つずつに横川側から番号がついており、C=1からC=184まである。途中いくつかの鉄道遺産が散見できるが、場所の特定にはこの番号を用いておく。なお、参考までに、私の場合、第三橋梁から軽井沢まで約2時間15分ほどかかった。途中、道をはずれていくつかの鉄道施設を見学した時間も含む。

P1020456.JPG (769837 バイト)松井田町の解説板にあった施設の図

P1020447.JPG (467291 バイト)第六隧道の横孔(C=55) P1020448.JPG (439162 バイト)第四号橋梁(C=59)

P1020450.JPG (443067 バイト)第七号隧道(C=59) P1020451.JPG (459976 バイト)第八号隧道(C=59)

P1020452.JPG (452491 バイト)  P1020455.JPG (759252 バイト)第五号橋梁(C=60)

P1020458.JPG (764693 バイト)第六号橋梁(C=69) P1020460.JPG (734383 バイト)熊野平信号所の建物(C=78)

P1020462.JPG (739568 バイト)第16号隧道(C=126) P1020465.JPG (741532 バイト)第17号隧道(C=126)

P1020473.JPG (750767 バイト) P1020467.JPG (767587 バイト)第13号橋梁(C=128)

P1020470.JPG (758563 バイト)新線の左に封鎖された旧線の第18号隧道が見える

P1020475.JPG (752497 バイト) P1020476.JPG (759118 バイト)碓氷峠最後のカーブC=184の横にあった「碓氷峠修路碑」

 

★碓氷峠の鉄道の歴史

本州横断の信越本線高崎〜直江津が全通したのは1893(明治26)年4月のことで、碓氷峠は最後の難所であった。横川〜軽井沢間はわずか11.2kmにすぎないが、峠の高低差が約550mあり、最急勾配は66.7‰(パーミル:1000mで66.7mの高低差がある坂を意味する)となった。通常の機関車では上ることができず、線路に設置した鉄歯に歯車をかみ合わせて上っていくアプト式歯軌条を採用した。当然機関車も特別なものとなり、ドイツEsslingen社製の蒸気機関車を輸入した。このアプト式鉄道は、1963(昭和38)年まで運転され、その後は粘着運転方式に変えられた。1997(平成9)年10月に長野新幹線の開通とともに、信越本線横川〜軽井沢間は廃止となった。
 
【参考文献】「碓氷峠の一世紀」(上)(下)三宅俊彦著、RM LIBRALY、ネコ・パブリッシング、2002.10〜11


【碓氷峠鉄道文化むら】


◆開館時間:9:00〜17:00(3月〜10月)/9:00〜16:30(11月〜2月)
◆休館日:毎週火曜日(祝日の時はその翌日)、年末年始(12月29日〜1月4日)
              (8月中の火曜日は開園)

◆入館料:大人500円、小学生300円、小学生未満は無料

◆所在地:〒379-0301群馬県安中市松井田町横川407-16

◆交通:JR信越本線「横川駅」下車、徒歩2分

◆連絡:電話027-380-4163  FAX:027-380-4111

◆Web: http://www.usuitouge.com/bunkamura/



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