火花通信を体験しよう(その3)~コヒーラで電波の到来を知る    2021.11.9
 
 コヒーラは、図1のようにガラス管の中にニッケル粉末を入れたもので、普段は接触抵抗が大きいため電気は流れませんが、電波が到来すると抵抗が減少し電流が流れるようになります。この働きを利用して電波の到来を知ることができます。電気が通るようになったコヒーラは、振動を与えて固化した粉末を元に戻してやらないと再び使うことができませんでした。ですから電気が通ったら電磁石を働かせて、ガラス管を叩いてやる装置が必要でした。ここでは金属粉末の代わりにアルミホイルの球を使います。

図1

(1)用意するもの
  フィルムケースなどの小さいプラスチックケース、アルミホイル、両面テープ、 LED(発光ダイオード)、電池(1.5V×2)、電池ボックス(2個用)、
 電池スナップ、配線用の線

(2)製作手順
(a)ケースの加工
  図2 のような形状にアルミホイルを切ります。長さは用意したケースの大きさにあわせます。2本作ります。
図2

 Aは、プラケースの底の部分の長さの1/2+ケースの高さ+2cmくらい、Bは、1~2cm。
 これを図3のようにケース内に貼り付けます。アルミホイルの片側には両面テープをはっておきます。ケースに貼り付ける際は2本のアルミホイルを接触させないように貼ります。アルミホイル同士は1cm程度間をあけて貼り付けます。

図3

(b)アルミ球の製作
  次に、中に入れるアルミ球を作ります。アルミホイルを2cm角くらいの大きさに切ります。切ったら手で丸めます。固めに丸めてください。どのくらいの量が必要かはケースの大きさにより、だいたい2~3cmくらいの深さが球で埋まるようにします。
 ケースの中にアルミ球を入れます。

(3)使い方
 図4のように配線をします。アルミホイルはワニグチクリップなどではさむとよいでしょう。
 このままの状態では、アルミ球の接触抵抗が大きいので電流が流れずLEDは点灯しませんが、近くで火花放電をおこし電波をとばすとLEDは点灯します。
 ケースをたたくとアルミ球の状態が元に戻り、LEDは消灯します。

図4

 「火花通信を体験しよう(その1)」の火花ギャップの製作記事へ。

図の出典
 図1:マルコーニのコヒーラ 『無線百話~マルコーニから携帯電話まで』無線百話出版委員会編、クリエイト・クルーズ、1997.7

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