技術職業教育通信 2009年9月15日 NO.54 |
「低温溶融合金を使った簡単鋳造」にチャレンジ! 〜2009夏期講座に10名が参加〜 |
合金ペレットと流し込んだ様子 16回目を迎える京都技術サークル恒例の夏期講座が、9月6日(日)、同志社中学校技術室を会場に行われました。今回は「低温溶融合金を使った簡単鋳造」にチャレンジしました。鋳造というと暑い中で汗を流しながらの作業というイメージですが、今回はエアコンの効いた涼しい技術室の中で、あっという間に行うことができる鋳造実習で、ほんとうに簡単に行えるものでした。参加者は、10名でした。 型を作る 緊張の流し込み ヤスリがけ 最初に、同志社中学のT先生から鋳造実習の勘所を説明していただき、それぞれ金属を流し込む型作りをはじめました。型は2ミリ厚のコルク板(6×9センチ)を各自が考えた形にカッターナイフで切り抜き、「湯道」と「注ぎ口」をつけます。これを2枚のベニヤ板(7×10センチ)ではさみ、目玉クリップでとめるだけです。しかし、何でもOKというわけではなく、流し込みやすい形があり、湯道の上にある空間には金属は流れていかないので、できるだけ金属が流れていくような向きに型を作る必要があります。 今回は、「ピューター」というSn(スズ)90%、Sb(アンチモン)7%、Cu(銅)2%の合金を用いました。通常のものよりも色が白っぽく、堅さも硬いようです。価格は2kgのペレット(チョコのように小さく分かれているので使いやすい)が12,000円でした。溶融温度は320℃です。 ステンレスのポットと一口ガスコンロで溶かします。火を付けて、金属が溶けるまで2分とかかりませんでした。これを型に流し込みます。ところがこの流し込みがけっこうむずかしく、溶けた金属が表面張力でコロコロと流れるので、ちゃんと入ったのか、こぼれたのかよくわからないケースが続出、押さえのベニヤ板をはずして一喜一憂する姿が印象的でした。しかし、失敗しても何度もやりなおせるので、納得がいくまでチャレンジできます。これで4度目の挑戦という強者の横で、すでに冷えた金属を加工する人がいるなど、それぞれの進度に合わせた実習ができるのも魅力の一つといえます。 そうこうしているうちに、全員がヤスリで削ったり、ペーパーやピカールで磨く行程に入り、全員無言でひたすら磨く作業に熱中していました。 |