技術・職業教育通信    2013年2月25日     NO.61
 『スクラッチ』入門講座 
 2月23日(土)の午後、同志社中学校岩倉学舎の技術室を会場に、京都技術サークルの冬季教研が開かれました。参加者は9名でした。



 今回のテーマは、「スクラッチ入門講座」で、夏季教研に引き続き、教材会社アシダの芦田さんに講師をしていただきました。はじめは中学校技術科で行われる計測制御をテーマにしようと考えていましたが、各社の技術科教科書をみると、「フローチャート」→「自走形ロボット教材」→「センサやモーターを組み合わせた教材」という順になっています。そこで制御教材を扱う前段階として、フローチャートとの連関が強く、小中学生にもわかりやすいスクラッチというプログラミング環境をやってみようということになりました。

 スクラッチ(Scratch)は、マサチューセッツ工科大学のメディアラボが開発した小中学生向けのプログラミング環境です。命令や制御構造がブロック状になっているので、これを組み合わせていけば簡単にプログラムを作ることができます。文末に掲載したサイトから無料でダウンロードでき、日本語にも対応しています。


スクラッチの画面

 パソコンにインストール(USBメモリからの起動も可能)し、使い方の説明の後、"習うより慣れろ"と画面上の「ネコ」(スプライトという)を動かすプログラムを作ることからはじまりました。実際にプログラムを作りはじめると、いろいろな疑問が出てきて、それに芦田さんが答える形で講座が進みました。プログラムの基本となる「順次」「分岐」「反復」をスクラッチで実現する方法の説明を受けてから、参加者それぞれが課題に取り組みました。画面の赤い枠から「ネコ」が出ないようにするプログラムや、自走車のように曲がりくねった道を進む「ネコ」などに取り組みました。

 最後に、スクラッチを使った制御についての説明がありました。Pico Boardというスライドボリュームやマイク、スイッチなどがついたボードをUSBを通してつなぐと、この入力情報をスクラッチに取り込むことができる様子や、温度センサや光センサをつないで、データをパソコンに取り込む方法を実演していただきました。これらから、センサやモーターを組み合わせた制御教材への見通しを持つことができたように思います。


Pico Board

 参加者からは、マウスのドラッグだけでできるし難しいことばもないので扱いやすい、深い割には導入がわかりやすい、などスクラッチの操作性のよさにふれたものがありました。また、動いたり光ったりする外部機器と連動させれば中高生にも興味を持たせられる、など制御への活用について記したものがいくつもありました。

 今後、今回の講座を発展させた制御教材をテーマに、京都サークルとして取り組みたいと考えています。(お)

【参考】
MITのスクラッチのサイト(ソフトウェアのダウンロード)

東邦大学理学部古谷研究室:SCRATCH入門(ソフトのインストール法から使い方までを解説)

 

前へ戻る

HOMEへ

 copyright 京都技術サークル All rights reserved