技術・職業教育通信  2014年2月24日    NO.62

竹中大工道具館技能員北村さんの技を学ぶ

〜第25回京都サークル冬季教研に全国から参加が〜

 2月11日(火・祝)の午後、同志社中学校岩倉学舎の技術室を会場に、京都技術サークル冬季教研が開かれました。参加者は15名、西は熊本・岡山、東は埼玉・神奈川からも参加者がありました。今回は、神戸市にある竹中大工道具館の技能員北村智則さん、研究員大村都さんに来ていただいて、大工道具・木材のお話や実技を学びました。

 午後からの開会にもかかわらず、北村さん、大村さんは朝早くから会場入りし、道具の調整をされ、万全の状態で講座が始められるよう準備をされていました。プロとしての仕事へのこだわりを強く感じました。また木工室一杯に広げられた鉋(かんな)をはじめとした大工道具やたくさんの木材、砥石なども、これから始まる講座への期待を抱かせてくれます。

 参加者の自己紹介のあと、大村さんから竹中大工道具館と館が行っている教育プログラム紹介のあと、北村さんによる大工道具の歴史の話と実演が始まりました。

 最初は鉋です。まず中国と欧米の鉋の紹介と実演がありました。これらの鉋は日本の鉋と異なり押して使います。引いて使う鉋は世界中で日本だけだそうです。次に槍鉋(やりがんな)の紹介と実演がありました。木の葉のような形の刃の片面を木材面に置くようにして引いて使います。これらの鉋の体験を順番にさせていただきました。押すタイプの鉋は慣れていないためかふだんと異なる感触です。でも調整がきちんとできているため、私たちのような素人でもきれいな鉋屑が出ます。槍鉋は、見ている時は簡単そうでしたが、実際にやってみるととても難しく、刃の角度や引き方などがスムーズにできません。それでもバネのように丸まった鉋屑が出ると達成感を感じました。


竹中大工道具館技能員の北村さん(中国鉋の説明中)

槍鉋の体験

 その後、日本の鉋に話が移り、一枚刃、二枚刃の鉋の実演がありました。これも調整がすばらしく、私たちでも透けるような鉋屑を出すことができました。削った木材の表面は金属表面のようにツルツルでした。また、各種木材を削っていただき、香りの違いや削り屑が針葉樹と広葉樹で異なる様子などを観察することができました。

和鉋の技を見る

 休憩の後は研ぎの話になり、天然砥石の産地や特性、実際の天然砥石、人工砥石を見せていただきました。砥石の種類や場面による使い分け、砥石面を平面にする方法などの紹介がありました。先ほどの実技で使用した鉋刃と使用していない鉋刃とを拡大鏡で見比べたり、研いだ後の鉋刃のカエリの手触り感などを体験しました。ここで時間がきてしまい、残念ながら研ぎの体験をすることはできませんでした。

砥石の紹介

 竹中道具館は、本年10月に新館が新神戸駅の近くにオープンする予定で、新館には木工室も完備するので見学と体験が可能になるそうです。その時は、また見学・研修の機会を持ちたいものです。

 参加者からは、「やりがんなは本の中やビデオでしか知らなかったので、実物で木をけずらせていただき感動」、「プロの方に学ぶことで、教科書や専門書などに書かれていないものが学べてよかった」、「研ぎのコツについても学べたと思います。帰ってすぐ砥石を購入してやってみたい」、「内容が充実していて、あっという間でした」などの声が数多く寄せられました。


竹中大工道具館のWebPage

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