技術・職業教育通信 NO.64
第21回 夏期講座
 2015年9月27日
「折り紙工学体験(花紋折り・カライドサイクル作製を通して」

  9月27日(日)の午後、同志社中学校岩倉学舎の技術室を会場に、京都技術サークルの実技講座が開かれました。参加者は10名、中学5、高校1、中等教育学校1、高等支援学校1、大学2でした。今回は、「折り紙工学体験(花紋折り・カライドサイクル作製を通して)」と題して講座を行いました。

製作した花紋折りなど

 折り紙のように板状のものを折ることで強度を高めてものづくりに応用することを折り紙工学といい、ミウラ折り(人工衛星のパネルの展開に使用)や缶酎ハイのダイヤカット缶、血管拡張に使われるステントなどの例の紹介がありました。

 最初に、関数表示ソフトGRAPESで講師が作製した「正9角形花紋折り」の型紙を切り抜き組み立てを行いました。切り抜きは簡単ですが、最初にしっかり折り目をつけておかないとうまく折ることができないようです。インクが出なくなったボールペンの先で折り線上をなぞっておくとよいようです。

 次に「正12角形立体花紋折り」の型紙を切り抜き、組み立てました。こちらは折り目が細かく組み立てにはかなり手間取りました。折り線をキリの先端を使ってなぞった人の中にはなぞる力が強すぎたためか折り目から破れてしまった人が出てしまい、セロテープで補修をしなければならなくなりました。

カライドサイクルを製作中

 3つめはカライドサイクルを組み立てました。このカライドサイクルは糊づけする必要がないというスグレもので、折りは簡単ですが、最後に端をつなげるのが難しいところでした。蝶の絵が入れ替わり現れるというもので、使用する写真を入れ換えればいろいろ楽しめそうです。

 その後、型紙製作に使用したソフトウェアGRAPESの使用法について、実際にパソコンを起動して体験しました。関数やスクリプトを駆使して花紋折りの型紙は作られているようで、すぐには活用は難しそうですが、続けて学んでいきたいと思いました。参加者は、講師のKさんが作製した花紋折りのためのプログラムをいただいたので、各自が自由にn角形花紋折りの型紙を作ることができるようになりました。
 最後に、類似のソフトウェアGeoGebraの紹介、花紋折りや折り紙の本の紹介、交流があり終了しました。


【紹介された書籍】
『花紋折り〜内山光弘の世界』(民藝叢書第3巻)柳宗理 監修・編集、芸艸堂、1988.7、3800円+税

『ふしぎな球体・立体折り紙』三谷純著、二見書房、2009.11、1500円+税

『デザイナーのための折りのテクニック〜平面から立体へ』P.Jackson著、三谷純日本語版監修、文化出版局、2012.9、
  2300円+税

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