技術職業教育通信   No.27 1995年8月25日  
 
 ラジオを作る

 技術・職業教育夏季講座が8月19日(土)に同志社中学校技術室にて行われました。猛暑にもかかわらず、12名の先生方の参加で、ひさしぶりに盛会でした。

コイルを巻く 基板のパターンを描く

 今回のテーマは、「ラジオを作る」で、1石1ICレフレックスラジオを製作しました。まず、プリント基板の作成を行いました。マジックでパターン図を描いて、エッチングするのは初めてという人やひさしぶりにエッチングを行ったという人や様々でしたが、さすが皆さん学校の先生だけあって、きれいなパターン図が描けていました。これを塩化第二鉄の溶液に浸してエッチングを行います。およそ5〜10分でエッチングは終了しました。ここまでで午前中の部を終了し、昼食となりました。

昼食の間も、製作のことや学校のこと、生徒のことなど交流がさかんに行われていました。午後からは、下敷きを利用したスパイダーコイルの製作を行い、その後、部品を取り付けてハンダ付けを行いました。2時半頃には全員ができあがって、動作確認をすることができました。全員が1度で鳴ったのでほんとうによかったと思います。
また、当日は京都サークルが作成した冊子「パソコン制御の理論と実際」と「大工さんの技術・技能を学ぶ」もよく売れていましたし、冬の講座で実施した「ウォークマンアンプのキット」も好評でした。


参加者のアンケートから

今回の夏季講座をどこでお知りになりましたか。
 講座の案内(手紙)  5名    組合のビラ 0名
 同僚・友人からの誘い 5名    その他   1名

 今回は、過去の講座に参加されたことがある先生、民主教育推進委員の先生に参加の手紙を出しました。今回「同僚・友人からの誘い」で参加された先生が5名もあるように、身近な方を誘っていただくことがいかに大切かがよくわかりました。今後もぜひお知り合いの方に一声かけていただくようお願いいたします。

今回のテーマ「ラジオの製作」はどうでしたか。
○中学校で働くのははじめてで、来年は3年生(電気)の授業をやることになります。これから勉強していかなければと思っていたところへよい契機となりました。製品を作るということは、何度やっても”実際に動いた”という実感が何よりも嬉しいものです。したたる汗を忘れさせてもらいました。よかったです。教材の準備ごくろうさまでした。ありがとうございました。
○「エッチングから・・」というのがよかった。本当の意味での手作りという感じ(←教材では完全にキットという感じはぬぐいきれない)
○基板の製作が案外簡単にできることがわかった(器具はそろえないといけないが)。自作の教具などの製作に役立てていきたいと思う。組み立てたあとで受信できたことはうれしかった。
○選択「技術」の教材としてすばらしい教材と思います。エッチングから始めてやることの少ない電気領域としてはよい体験だと思います。
○大変よかった。特にコイルを巻くところもあり、参考になりました。久しぶりのエッチング処理で楽しかった。
○とても参考になりました。直接、授業に反映できそうです。
○エッチングからのラジオの製作は大変参考になった。
○ラジオの製作は初めてであったが、とても良かった。
○大変良かった。単純な構造だが、よく聞こえるラジオであり驚いた。(中学校でセットを組み立てさせているが、構造が複雑でハンダ付け作業ばかりという感じになるので、今回のように沢山の行程があるのは大変面白い。)
○基本原理をわかり易く説明しやすい教材だと思います(アンテナとコンデンサーでの受信など)。
 皆さんがいろいろな視点でこのラジオ教材をみていただけたので、こちらも改めて新たな視点で見直すことができました。エッチングとコイル巻きがこの教材の特徴で、これが好評だったようです。実は準備の段階では、バリコンも手作りができないかといろいろ試みたのですが、バリコンの容量 300PFを実現しようとすると形状がかなり大きくなってしまうため、あきらめたということがありました。電子部品を使った教材は、ともすればハンダ付けだけになりがちですので、手作り部分をどうしていくかが、教師の力の見せ所でしょうか。

「ラジオの製作」について、改善点や意見があればお書きください。
○電波というものを考えていく上で、ラジオというのは適した教材だと思う。3年生で、2バンドのラジオを製作させているが、もっとその中身を考えていきたいと思う。そのためにも自分の知識も、もっと深めていきたいと思っていた。今回の製作はその意味でも大変参考になった。
○できれば電池が長持ちできればと思います。
○たいへんわかりやすく、申し分なかったです。特にエッチング液の処理の話が聞けてありがたいものでした。
○技術の教材としてとても良いと感じた。
○生徒に持ち帰らせるのには、電池をとめるところなど工夫をしてもらえば、生徒の机の上でもいつまでもラジオ放送を聞いている様な風景が見られると思います。

今後の「講座」のテーマの希望についてありましたら書いてください。
○何でもかまいません。どん欲です。早く関西の教員の方と知り合いになりたいと思っています。
○機械工作の使用法(旋盤、ボール盤)
○機械領域の教材
○なし。いろいろとやってみたいが、具体的には思いつかない。
○領域ごとに、今回のような充実したもので実施していただけると最高です。
○実技に関するものなら何でも。
○いろいろな分野で勉強したい。
○各分野、短時間で完成する教材を紹介したり、お互いに持ち寄ったりしたいものです。

その他、ご意見、感想などがあれば書いてください。 ○次回もぜひ参加させていただきます。レポートのようなものを持ち寄っての討論会(サロン的でいいと思いますが)もいいなと思いました。でも「実習」は何にもかえがたいおもしろさがあるし、動員力もあるので、「実習」は大切にしたいなとも思います。
○また呼んでください。
○次回もぜひ参加したい。
○次回もできる限り参加します。
○お世話になりました。
○御苦労さまでした。
○準備ご苦労様。暑い中参加していただいた方、ご苦労様でした。

 

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