技術職業教育通信   No.21    1993年11月3日  
 
 夏季講座で「簡易テスター」製作 
 
  8月18日(水)に、技術・職業教育の夏季講座が開かれました。今回は、乙訓や相楽の先生を中心に、9名の参加がありました。
 中学では、この4月から新指導要領の全面実施となり、各学校では新領域の内容等の編成に苦心されているようです。今回の講座は、電気領域の教材として役立つ「簡易テスター」の製作を行いました。製作の指導は、洛陽工業高校定時制の電気科の神谷先生にお願いしました。きめ細かく、個別に対応していただき、全員が完成させることができました。
 この「簡易テスター」は、小型ながら、導通(おおまかな抵抗値もわかる)、直流電圧(1.5v毎に6Vまで)、交流電圧(100V)のチェックに使えるというすぐれもので、4つのLEDを使って表示を行う、新しいタイプのテスターです。ユニバーサル基板に組み立てるので、半田付けが工作内容の中心となりますが、5〜6時間程度で完成させることができます。実際、工業高校では、「工業基礎」という科目で、1年生に履修させていますが、だいたい5時間程度の時間をかけているそうです。(お)


アンケートの結果

[0]所属は、
   中学校教員     5名
   高校教員    2名
     その他      2名

[1]何でこの講座を知りましたか。
   講座の案内状  5名
   友人の誘い    2名
   組合ビラ     1名

[2]講座に参加されてどうでしたか。
    全員、「よかった」と回答されています。(ホントによかった。主催者として・・・・)

[3]教材として授業に使えますか。
   授業に使える   4名
   改良が必要    2名
  ○「選択授業」において。
  ○基板の改良をすれば、半田付けも簡単になり、生徒もできると思います。
  ○ハンダづけが難しいので、基板を大きくする必要がある。

[4]今後、この講座を行う場合の希望テーマ。
  ○コンピュータの制御、好ましいソフトの使用。
   中学生の電子工作の好ましい教材いろいろ。
  ○機械、電気領域の実技(キットではない製作)
   コンピュータの理論の講座(コンピュータの障害等) a授業で理論学習するため
  ○個人的な要求で申し訳ありませんが、コンピュータ関係の学習が不足しているので、コンピュータを使用した講座をお願いしたい。
  ○原理原則は同じでも、製作工程で工夫が凝らせられ、オリジナルなモノが作れないものか。こんな教材がほしい。
  ○情報処理。
  ○改訂で新たな希望内容があるのではないでしょうか。

[5]その他の意見

  ○いろいろな実技講座が役にたちますのでよろしく。
  ○参加者への呼びかけa各支部の責任者を決めて呼びかけをしていくことが大切だと思いました。
  ○参加者が少人数だったので、個別的な指導をしていただいたので、わかりやすくよかったと思います。
   しかし、参加者を増やすことも必要ですので、自分自身でも努力したいと思います。
   いい講座を、お忙しい中、設定していただき、ありがとうございました。
  ○お世話様でした。それにしても大世帯の市教組からの参加がほしいですね。
  ○日時の設定を前もって打診して、最大公約数的に予定するなど、方法を考えてみてはいかがでしょうか。



第26回技術教育研究会に参加して

                                                   M生

  8月3日〜5日に岐阜県長良川で行われました。以前の京都大会以来の参加になりました。中学校の分科会はレポート数が多く、木工・機械・金属・栽培と電気・情報基礎の2分科会に分かれて討議されました。私は、レポート発表の関係から電気・情報基礎の分科会へ参加しました。

  この分科会では、技教研の自主テキスト「自動化からはじまるコンピュータ学習」とオートマ君の授業や学習指導案、形成テストなどの報告、「教材用NC旋盤」の報告、「プログラムの学習指導法」の報告がありました。

  分科会のまとめとして、近藤先生(福岡教育大)から、@簡易言語の良さと悪さ、A中学校では30hぐらいで高めていく、B加工で学習して工作機械で制御している→手で作業していることをプログラムで制御している(コンピュータが仕事ではなく、コンピュータで仕事をするのである)、C問題解決のためコンピュータで行っている、などがありました。また、亀山先生(静岡大)から、@工業生産を考えた授業(NC旋盤)、A簡易言語について、B情報教育との関係について、C旋盤を考えた授業法との関係、などのまとめがありました。

 プログラム学習の報告(近藤先生)で、@「プログラムで動く、なぜだろう」をもう少し深く入っていくと制御の中に入る、A手動をコンピュータを使って自動的に動かしている、B電気・機械の中で学習の発展としてとらえて行う、C順次・反復・分岐の3つのパターンが重要、D普通教育として制御は何かを教えるのが大切と大学生を対象にした授業を報告された。

 実技講座では、実際にオートマ君でプログラムをつくり、「オート三輪車」を動かす体験ができました。

 今回、参加して感じたことは、全国でどのような教育実践が行われているかがよくわかりました。特に情報基礎領域が、どう考えて、どう実践されているか勉強になりました。そして、コンピュータと他領域との関係についても、どう考え実践すればよいか勉強になりました。

 技教研は、全国の技術・職業科の中心的な役割を担っていると感じました。


  

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