技術職業教育通信   2008年2月21日      NO.51

 19回目を迎えた冬期教研

  〜「生徒の知的好奇心を呼ぶ等角図法と透視図法」「江戸のからくり玩具作り」〜 


  京都の町が寒さにこごえる時期に開かれる京都サークルの冬期教研は、今年で19回を迎えました。今回の教研は、2つのテーマを取り上げるという盛りだくさんな内容になりました。参加者は、中学校3、高校3、総合支援学校2、大学1、その他1の計10名でした。

 第1部は、同志社中学校の川瀬先生を講師に「生徒の知的好奇心を呼ぶ等角図法と透視図法」、第2部は、木津第二中学校の丸山先生を講師に「江戸のからくり玩具」作りを体験しました。どちらも、魅力的で、充実した内容で、1時半に開始した講座が終了したのは5時をまわっていました。

P1040147.JPG (636825 バイト)等角図法の説明をする川瀬先生

 同志社中学校の技術科には専用の製図室があります。37の机の上には製図板がおかれていて、教室のあちこちに手作りの教材があります。川瀬先生は、普段の授業と同じ語り口で、講座を始めました。三角法の図から等角投影図が生まれるまでを、教材を駆使してわかりやすく説明されました。その後、練習問題をいくつか行い、生徒に戻ったような気分を味わいました。

P1040151.JPG (627782 バイト)透視図法の説明をする川瀬先生

 次に透視図法(遠近法)の説明が始まります。高島屋デパートを題材に、朝6時に写真を撮りに行ったというエピソードも交えながら、わかりやすく作図方法を解説されました。説明のあと課題が出され、隣のビルの屋上からみた図を描くことになりました。これが描ければ理解できたというわけです。

 透視図法の描き方もマスターでき、川瀬先生の授業の様子をかいま見ることもでき、たいへん充実した内容でした。

 熱〜いお茶やコーヒーで、しばし休憩した後、第2部が始まりました。


kouza080202a.jpg (164751 バイト)
はしごくだり  P1040168.JPG (667819 バイト)はしごくだりの「こま」の説明をする丸山先生

 講師の丸山先生は、すでに材料を規定の寸法にすべて切断しておいてくださったので、ポイントとなる加工部分に集中して作業することができました。最初に「はしごくだり」を作りました。まず、はしごを作ります。加工後にボンドで接着して、乾かします。はしごが台に垂直に立つようにしながら乾かすのがむずかしいので、工夫が必要です。机の角を使ってやりましたが、少し斜めになってしまいました。はしごを先に作らないと、はしごを降りていく「こま」の調整ができないからです。「こま」の調整は、つくったはしごにあわせてしなければなりません。


P1040164.JPG (720401 バイト)帯のこ盤でスリットを作る  P1040172.JPG (720670 バイト)はしごくだりの調整中

 「こま」は3pの角材に穴を開け、帯のこ盤でスリットを入れます。たったこれだけの加工なのですが、スリットの太さ、穴のささくれ、スリットの入口の切り込みなどをはしごから「こま」を落としながら調整していきます。簡単そうに見えたのですが、意外に奥が深いと感じました。

 参加された皆さん、熱中していて、時間がどんどん過ぎていきます。玩具の製作はもうひとつあります。「紙つばめ」です。残りの40分ほどで、サッとしあげました。つばめの形に厚紙を切り抜き、尾を通す機構を木板と竹筒でつくりました。尾は竹ひごを2つに割いて、熱を加えて曲げなければならないのですが、この一番手間がかかり作業を、丸山先生がしておいてくださったので、助かりました。聞けば、初めてでは2,3本は失敗するだろうとのことでした。ボンドが乾いてから、皆で飛ばしました。尾がくるくる回って、たいへんきれいです。皆、童心に帰ったかのように、くるくる回していました。

P1040184.JPG (823664 バイト)できあがった紙つばめをとばす

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